イケメンモテ男子と期間限定の同居生活
「……口紅代、そろそろ返ってこねーかな。まだ100円しか返ってきてない」

「あらら。まぁ、まだ小学生なんだし。気長に待ちましょうよ」



ちなみに、青倉が選んだイルカはそらくん。
梨子ちゃんのイルカはみかんちゃん。

私も記念にと、黄緑色のイルカのライムくんのマスコットキーホルダーを購入した。

早速明日からスクールバッグにつけていこうっと。



「んん……お魚、美味しい……」



すると、梨子ちゃんがポツリと寝言を呟いた。



「おいおい、水族館帰りでなんて夢を見てるんだ。美味いのはわかるけど」

「ふふふ、何食べてるんだろうね? サーモンとかかな?」



気持ちよさそうに眠る彼女を見ていたら、ふと思い出した。



「あ、そうだ。付き添ってくれた時、何か言ってたよね? 英は、なになにっている? って」



添い寝してもらったあの日。

何か尋ねられたような気がしたんだけど、半分寝落ち状態だったから、肝心の部分が聞き取れなくて。返事が曖昧になっちゃったんだよね。



「ごめん、眠気がひどくて全然聞き取れなかった。なんだった?」

「いや……別に、大したことじゃねーよ」

「そう? ならいいけど。なに、好きな人いるの? とか、聞いてた?」
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