イケメンモテ男子と期間限定の同居生活
見ての通り、私達がやるお店はパン屋さん。

現在、瀬那とクラスメイト数人で、宣伝用の看板に貼りつける絵を作成している。


作業を再開すると、今度は男子生徒が「あのー……」と話しかけてきた。



「委員長って、ものさし持ってたよね? 今日、持ってきてる?」

「うん。持ってきてるよ」

「マジ? 良かったら、ちょっと貸してくれない? ごめん、作業中に」

「ううん。大丈夫だよ」



再び手を止め、スクールバッグを開ける。


変わったなぁ、私。


クラスに貢献したい。
仲間と親交を深めたい。
苦手を克服したい。

そんな理由で立候補したけれど、正直、たった2ヶ月でこんなに変わるとは全く思ってもみなかった。


だって、最初の頃は話しかけられただけで心臓が早鐘を打っていたのが、今では瀬那と話してる時と同じテンポなんだもん。


やっぱり、頼りにされることが増えたから。

あと……賑やかで誠実な同居人と毎日交流してるから、なのかな。
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