イケメンモテ男子と期間限定の同居生活
「委員長! お疲れ!」

「お疲れ様。大人気だったみたいだね」

「あはは。おかげさまで」



「あちぃ〜」と言いながらウィッグを脱ぎ、着ぐるみのボタンを外し始めた青倉。

ここで脱ぐの!? と一瞬困惑したが、イルカ柄のTシャツが見えて胸を撫で下ろした。



「わー、すっからかんじゃん。在庫はあとどれくらい?」

「クロワッサンが2箱と、カレーパンとクリームパンが1箱。メロンパンと焼きそばパンは出てるやつで最後だよ」

「へぇ~、結構売れたんだな」

「お昼時だったからね。8割近くは売れたかな」



陳列棚をまじまじと眺める彼からクラスメイトに視線を移し、店番の引き継ぎをする。


共通点が見つかって、苦手なものを打ち明け合って。

また1つ進歩できたかと思っていた矢先、突然のバックハグ。


あまりにも急展開すぎて、1週間以上経っても胸の動悸が収まらず。夜中にからかわれた時と同様、顔を直視できない日々が続いている。
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