イケメンモテ男子と期間限定の同居生活
だから同居すると聞いた時は、絶好のチャンスだと思った。


テストシーズンを利用して毎日部屋を訪れて。
水族館も、本当は一緒に過ごしたくて着いていった。


添い寝した日なんかは、内心舞い上がってて。

『好きなやついる?』と口走ってしまってめちゃくちゃ焦ったけど、結果、誰とも付き合っていないとわかり、俄然やる気が湧いた。


同居期間も残りわずか。
両親の話によると、今週末には終わるだろうと。


最終日に向けて、アクセル全開でアプローチしようと気合い入れてたのに……。



「どうしたらいいと思う?」

「……悪い。こればっかりは、涼馬が恐怖に打ち勝つしかねーよ」

「えええ、アドバイスは?」

「……頑張れ。としか言えねぇ」



リョウキは申し訳なさそうにファイティングポーズを取った。



「大丈夫だ涼馬。今まで積み重ねてきた努力は決して無駄じゃない。自分と彼女を信じるんだ」

「おぅ……」



消え入りそうな声で自分も同じポーズを取る。


言われてみたらそうだ。
はじまりは、英の優しさに甘えてしまった自分なんだから。

既に解決策が出てるのなら、必要なのはたった1つ──恐れず立ち向かう強さだ。
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