イケメンモテ男子と期間限定の同居生活
「もう、あの子ったら。また布団にくるまってるのかしら」

「私、起こしてきますね」



洗い物をする秋恵さんにそう言い残し、席を立って梨子ちゃんと一緒に2階へ。

けたたましい音に負けじと、2人で部屋のドアをノックする。



「お兄ちゃん、起きてー! 朝だよー!」

「青倉っ、起きてる?」



ドンドンドンと強めに連打するも、聞こえていないのか、反応なし。


おかしいな。いつもはすぐに、「起きてる!!」ってでっかい声が返ってくるのに。もしかしてまだ夢の中?

でも、これだけ音が響いているのなら、嫌でも目が覚めるはずだよね。枕元にあるならなおさら。


いっそのこと叩き起こそうかと、ドアノブに手を伸ばしたその時。



──ガシャン!



アラーム音が止まったのと同時に、何かが落ちたような音が聞こえた。


起きた……のかな? だけど、返事がない。


梨子ちゃんと顔を合わせ、ドアを開けると……。



「お兄ちゃ……! 大丈夫!?」
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