イケメンモテ男子と期間限定の同居生活


「──急に頼んじゃって悪いね」

「大丈夫ですよ。届けておきますね」



「失礼しました」と会釈し、職員室を後にした。



「おかえり。なんだった?」

「青倉にプリントを届けてほしいって。なんか、来月部活で合宿やるみたいで」



ざっくり説明して、預かったプリントをバッグにしまう。


呼び出し主は1年生の時の体育の先生で、青倉が所属している部活の顧問だった。


用件は、来月に合宿を行うらしく、その書類を届けてほしい、と。

本人が復活するまで待つつもりだったのだけど、青倉の家が共働きだったのを思い出して、早めに伝えることにしたのだそう。


怒られなくて良かった。


けど……。



「青倉から、私に届けさせるようお願いしたんだって。ちょうど今、青倉の家の近くに住んでるから」

「なるほど。だから呼ばれたのか」



できれば、放送じゃなくて、担任を通して伝えてほしかったな。

不満を呑み込んで、逃げるように学校を出た。
< 99 / 156 >

この作品をシェア

pagetop