隣の家の天才クラリネット演奏者が、甘すぎる愛を注いできます
「上手でなくても自信満々に弾いてたので。僕が『教えますか?』と聞いた時も教えて欲しいと即答でしたし。ですから、今更下手とか気にしないで下さい」

凛也さんの言葉に私は感動してしまった。

「凛也さん……!」

「想乃さんから自信を取ったら、良いところがなくなります」

「っ!?さっきの感動を返して下さい!」

「冗談ですよ。それに想乃さんの音色には、惹かれるものがあったのも事実ですし」

凛也さんはさらっと私が嬉しくなるような言葉を吐いてくれる。

「二週間では根本的な技術を上げることは難しいので、まず気になった部分の指摘から……」

凛也さんはそう言って、私のクラリネットのレッスンを始めた。
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