隣の家の天才クラリネット演奏者が、甘すぎる愛を注いできます
「想乃さんって素直ですよね……」

「そうですか?」

私がそう聞き返すと、凛也さんがため息をついた。

「はぁ……振り回されるこっちの身にもなって下さい」

凛也さんの言っている意味が分からないが、とりあえず愛想笑いで誤魔化した。

「想乃さん、絶対に意味分かってませんよね?」

「っ!なんで分かったんですか……!?」

「ブサイクな愛想笑いだったんで」

「ブサイクは酷すぎません!?」

凛也さんが前と同じように私の両頬をムニッと掴んだ。

前と違うのは、少しだけ私の口角を上げるように掴んだこと。
< 27 / 60 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop