隣の家の天才クラリネット演奏者が、甘すぎる愛を注いできます
「あとちゃんと話したのは一週間前くらいですが、私は何回か想乃さんを見たことありますよ。これでも隣に住んでるので」

「そうなんですか!?」


凛也さんが私の頬から手を離す。


「ええ。忙しそうに早歩きで家を出て仕事に行くのは分かるけれど、いつも帰りも早歩きで帰ってくるので不思議だったんです」

「その理由がクラリネットの練習だって知った時、嬉しかったので。いつも忙しそうにしている顔しか知らなかった隣人がこんなに素直な人だって知ったら、好感度が上がるのも仕方ないです」

「それに……」


今の凛也さんの話で真っ赤になっている私の顔に凛也さんがもう一度視線を向ける。


「想乃さんは、どう見ても可愛いので」


「っ!?」
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