隣の家の天才クラリネット演奏者が、甘すぎる愛を注いできます
私は寝巻き用のTシャツのまま、サンダルを履いて家の外に出る。

いつも夜はクラリネットの練習をしていて、隣の家に電気がついているのかすら見たことがない。

しかも、隣の家は塀で囲まれていて、二階しか見えない。

「でも、多分空き家だよね?」

だって、ゴミ出しとかですら顔を見たことないし。

だから、私はつい勇気を出してチャイムを鳴らしてしまった。

誰も出て来ないと思って。


そのチャイムの一押しから溺愛が始まるなんて、想像もせずに。
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