隣の家の天才クラリネット演奏者が、甘すぎる愛を注いできます
「楽しんで自信満々に弾いている想乃さんの音色に惹かれる人は絶対にいる。きっと沢山の人が聴き入ってくれるはずです。では、もう一度弾いてください」

その言葉を聞いて、私は一度深く息を吐いた。

クラリネットを持って、凛也さんに言われたことを意識しながら一曲を弾きあげた。

「うん、上手」

凛也さんのその言葉に私は安心して、緊張が和らいだのが分かった。

凛也さんが立ち上がって、防音室の扉を開ける。

「今日はもうレッスンを終わりにしましょう」

「え……まだ30分も経ってない……」

「どうやら想乃さんはプレッシャーや緊張に弱いようなので、ここからは楽器ではなく僕なりの緊張しないように使っている方法を教えます」

凛也さんが私をリビングまで連れて行く。
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