隣の家の天才クラリネット演奏者が、甘すぎる愛を注いできます
想乃さん、こっち向いて
バーでの演奏まであと4日となった。

今日は凛也さんにバーで演奏するステージがどのくらいの大きさなのか説明していた。

「一度見に行きましたが、グランドピアノが端に置いてある……えーと、ピアノで三分の一ほどを占めているくらいの大きさでした」

「なるほど。グランドピアノまで置いてあるとは、しっかりしたステージですね」

「基本的にはピアニストさんを呼んで、たまに演奏してもらっているんです。一度、聞きに行ったことがありますがバーの雰囲気にあって素敵でした。今回はバーのマスターさんが父と知り合いで、特別にクラリネットを引かせて貰えるんです」

「……」

「凛也さん?」

「そのバーっていつも混んでいるのですか?」

「結構人は入っていますが、空席が全くないってほどではないと思います」

凛也さんはしばらく何かを考え込んでいた。
< 38 / 60 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop