隣の家の天才クラリネット演奏者が、甘すぎる愛を注いできます
「バーでの演奏まで後4日……つまり、演奏日は今月の17日ですよね?」

「はい」

私は凛也さんの質問の意味が分からないまま答えていく。


「僕も聴きに行っても良いですか?」


「っ!?」


「ダメですか?」

「ダメではないですが……緊張します……!」

「大丈夫ですよ。前に言ったでしょう?一人でも自分の演奏を好きだと言ってくれる人がいるだけで心強いと。客席にいれば、尚更(なおさら)です」

凛也さんが以前見せてくれた甥っ子との写真に視線を向けている。

「それに僕は想乃さんの演奏をちゃんと聴きたい。一回でも多く」

凛也さんの言葉に心臓がドクドクとなっているのが分かった。

凛也さんが写真に向けていた視線をこちらに向ける。
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