隣の家の天才クラリネット演奏者が、甘すぎる愛を注いできます
また明日
バーでの演奏前日。

その日、私は凛也さんのレッスンを受け終えた。

「あの、凛也さん。これ今日までの御礼に……」

私は用意してきていた菓子折りを凛也さんに渡した。

「このお店の焼き菓子は美味しいので、オススメです……!」

「ありがとうございます。お茶を入れるので、想乃さんも一緒に食べませんか?」

本当は食べたい、けど……

「明日の最終確認も家でしたいので、今日はやめておきます」

私は明日の演奏もあって、どこか緊張した笑みを凛也さんに向けてしまった。

「では、焼き菓子はバーでの演奏が終わるまでとっておきますね」

「え……?」

「今度一緒に食べましょう」

凛也さんのその言葉は今日でレッスンが終わることを少し寂しいと思っていた私には嬉し過ぎて。
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