隣の家の天才クラリネット演奏者が、甘すぎる愛を注いできます
私は凛也さんにもう一度、向き直った。

「明日、がんばってきますね!」

「期待せずに聞いています」

「失礼過ぎませんか!?」

私の言い返しに凛也さんが楽しそうに笑っている。


「ちゃんと客席から聴いてますよ」


私はその言葉を忘れずに、凛也さんの家を出る。

家を出る前に凛也さんが「また明日」と微笑んだ。

そっか。バーでの演奏で会うから、「また明日」なんだ。

そのことが何故かすごく嬉しかった。

バーでの演奏はもう目の前にまで迫っていた。
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