隣の家の天才クラリネット演奏者が、甘すぎる愛を注いできます
つい先ほど舞台袖から見えなかった方の客席を見てしまう。

その時、パッと凛也さんと目が合った。

何故か私はパッとすぐに逸らしてしまったけれど、こちらをしっかりと見て私の演奏を聴いてくれている凛也さんを見て嬉しくなってしまう。


私はそのまま演奏を無事に終えた。


演奏を終えると同時に大きな拍手が起こって、その音にひどく安心した。

控え室に戻った後も、まだ現実じゃないような感覚だった。

それでも、演奏が無事終わったことは事実で。

私はそのままバーのマスターに挨拶をした後に、先ほどステージから凛也さんが見えた場所に向かった。

「凛也さん……!」

凛也さんが私の声に振り返った。
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