隣の家の天才クラリネット演奏者が、甘すぎる愛を注いできます
「凛也さん?どうしました?」

凛也さんがバッグから何か小袋を取り出した。

その小袋から、可愛い髪留めが出てくる。

髪留めには、ガラスで出来たような青色の小さい花が付いている。

「想乃さん」

凛也さんは私の名前を呼んで、私の持っているトートバッグの持ち手の横に髪留めを止めた。


「これで想乃さんのことを見失わないですね」


突然の出来事に私はすぐに状況が理解出来ない。

戸惑っている私を見て、凛也さんが「想乃さんは二週間頑張ったので」と微笑んだ。

きっと二週間の練習のご褒美に、プレゼントを買ってきてくれたのだろう。

「貰ってもいいんですか?」

「想乃さんに買ったものなので、貰ってくれないと困ります」

私はトートバックに留まっている髪留めを手で取った。
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