隣の家の天才クラリネット演奏者が、甘すぎる愛を注いできます
「じゃあ、冷めないうちに食べましょうか」

「はい!」

昼食を食べた後も、沢山のアトラクションに乗って……時間はあっという間に夕方になってしまう。

大体、乗りたいアトラクションは全て乗れただろう。

「凛也さん、そろそろ帰りますか?」

「ええ。でも、最後にウチに寄ってくれませんか?」

「……?」

「前に想乃さんがレッスンのお礼にくれた焼き菓子を一緒に食べましょう」

家が隣で、デートの帰りに凛也さんの家でお茶が出来ることが嬉しくて、私はすぐに頷いた。

遊園地の騒がしさから一歩外に出れば、すぐに静かな空気に変わってしまう。

それがどこか寂しいのに、隣にまだ凛也さんがいることが嬉しくて、もうそれだけで十分だった。
< 57 / 60 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop