隣の家の天才クラリネット演奏者が、甘すぎる愛を注いできます
私の不思議そうな顔に男性は急に笑い出した。

「ははっ、僕もまだまだですね。あ、それと、クラリネットは自由に吹いて下さい」

「え?」

「僕、クラリネットの音を聞くのが好きで。是非、聞かせて欲しいくらいです」

「え!いいんですか!?毎日ですよ!?」

「はい。本当に構わないです」

「えっと……!じゃあ、いつも仕事から帰ってからなので、7時くらいから9時くらいまで吹くと思います……!二週間後にバーで演奏があってそれが終われば控えるので……」

男性が「楽しみにしています」と笑った。

「そんなにレベルの高いものでは……!」

私がそう言うと、男性が急にいたずらっ子のようにクスッと笑った。

「では、今弾いてみて下さいませんか?」

「え?」

「ダメですか?」

状況が理解出来ない。
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