失恋から立ち直るのに必要なのは爆発力でした

 神林くんは完食すると、おもむろに水を飲んだ。

 そうして意を決したように言った。

「でも終わったんだし、いつまでもクヨクヨしてないで前向いていこう!」

「えっ、まさかと思うけど、それで慰めてるつもり? いくらなんでも下手くそすぎじゃない?」

「ひどいこと言うなー。だけど、せっかく夏休みに入ったんだから、楽しんだほうがいいと思わない?」

「……そんな気分じゃない」

「なら、メソメソして過ごすつもり?」

「そんなつもりでもないけど……」

「『ないけど』?」

 振られたからって、簡単に好きでなくなるわけじゃない。

 見返りを期待して好きになったんじゃないんだから。

 私の恋は、そんな薄っぺらくない。

 夏川くんのことを純粋な気持ちで好きだったんだ。
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