失恋から立ち直るのに必要なのは爆発力でした
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あらら?
私はどうしてスーパーボールすくいなんかしてるの?
それも小っちゃい子に混じって……
「だって、夏休みにお祭り行きたいんじゃなかった?」
「こんなモールの中央広場でやってるお祭りじゃなくて!」
「お祭りを差別するのはよくないな。これだって、れっきとしたお祭りだよ。それも今日からスタートだって。俺ら運がいいよ」
「何それ。あと、私は『デートで行きたい』って言ったの!」
「デートだよ」
「何言って……あっ!」
私のポイが破れてしまった。
キラキラのスーパーボールを狙っていたのに。
「俺が取ったの、あげるよ」
神林くんは自分のボウルの中から、赤いキラキラのスーパーボウルをつかむと、私のボウルに入れてくれた。
「その、顔付きのがいい」
「はいはい。どっちもあげる」
神林くんは気前よく、ニコニコ顔のスーパーボールもくれた。