失恋から立ち直るのに必要なのは爆発力でした

★••┈┈┈┈••★


 あらら?

 私はどうしてスーパーボールすくいなんかしてるの?

 それも小っちゃい子に混じって……

「だって、夏休みにお祭り行きたいんじゃなかった?」

「こんなモールの中央広場でやってるお祭りじゃなくて!」

「お祭りを差別するのはよくないな。これだって、れっきとしたお祭りだよ。それも今日からスタートだって。俺ら運がいいよ」

「何それ。あと、私は『デートで行きたい』って言ったの!」

「デートだよ」

「何言って……あっ!」

 私のポイが破れてしまった。

 キラキラのスーパーボールを狙っていたのに。

「俺が取ったの、あげるよ」

 神林くんは自分のボウルの中から、赤いキラキラのスーパーボウルをつかむと、私のボウルに入れてくれた。

「その、顔付きのがいい」

「はいはい。どっちもあげる」

 神林くんは気前よく、ニコニコ顔のスーパーボールもくれた。

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