君の花火を忘れない
香織と創紀くんと私の気がついたこと
次の日、
「おはようござ…」
私が教室に入ろうとすると、
「ちょっと、ちょっと、ちょっと!1回廊下きて‼︎」
亜美がそう言い、
「こっち!」
乙音が私の腕をひく。
「ど、どうしたの2人とも」
「それがね、香織…彼氏にフラれちゃったんだって」
乙音が目を伏せながら言う。
「あの、いい感じだった先輩と?」
私が訊くと、亜美が辛そうに口を開く。
「うん。先輩に、他に好きな人ができたんだって。しかも、フリかたもヒドいフリかただったらしいよ。『お前なんかといても楽しくない。もう付き合えない。俺には好きな人がいる』…って」
「何それ、ヒドい…」
シン、と静まり返ってしまった私たちの空気を和ませるように、
「こうなったらさ!香織をなぐさめに行こう⁉︎ ウジウジしたって何も解決できないよ」
亜美がそう提案する。
「そうだね!行こう」
乙音が元気よく言い、亜美がうんうんってうなずいてる。
「おはよう、ございます…」
私がそう言うと、香織がハッと顔を上げて、無理矢理笑顔をつくって、
「…ぉはよう」
とかすれた声で言った。
「香織…」
乙音がポツンとつぶやく。
「いいんだよ、別に…先輩に好きな人ができるって、それで幸せになれるなら、私は…」
亜美は無言で香織を抱きしめ、乙音は手を握る。
乙音に手招きされ、私ももう片方の手を握った。
こういうのを失恋、とか言うのかな。
私だけなんか、違うこと考えてて…本当に私、この3人の友達でいいのかな。
なんて、ふと思った。
「では、今日も班活動の計画を進めて下さい」
気がつくと1時間目が始まっていて、また班で計画を立てることになった。
「じゃっ、今日も計画立てますか‼︎ ん?何か香織、元気ねぇーな」
うわぁ…‼︎ 何言ってんの⁉︎ ってそうか、創紀くんは知らないんだ!
「…そうかな?」
「俺の勘違いか〜。まぁいいや、元気出せよな‼︎ あっ、俺が誰かのモノマネでもしてやろうか?そしたらみんな笑ってハッピーだよな!」
ガハハと豪快に笑う創紀くんに、香織はニコリと笑みを返す。
「じゃあ、モノマネして」
「いいぜ!何の?」
「やだなー、冗談だよ」
香織が少し元気を取り戻してくれて、私は微笑む。
「そういえばアレだな、もうすぐ七夕祭り?楽しみだな」
創紀くんがそう言うと、香織がうんうんってうなずいてる。
「コイツも言わないけど、密かにめっちゃ楽しみにしてるんだぜ、奈那」
何で私に言ったんだろう?
あと、密かにって言ったら意味なくない…?
そう思ったら、
「創紀っ…‼︎」
と焦った雅空の声が飛んできた。
「ん?言われたくなかったか?でも言っちゃったんだし、しょーがねーだろ!あと、事実だしな!」
どんだけポジティブなの、創紀くん…。
私と雅空は顔を見合わせて、苦笑い。
「ごめん、雅空、ちょっと来て」
「ん、わかった」
香織に呼ばれて、雅空は行ってしまう。
香織と創紀くんを見て、もしかしてと思うこと。それは__
「創紀くん」
「奈那」
創紀くんと言葉がかぶってしまって、どうぞどうぞと譲り合う。
「じゃあ、俺から…」
「うん」
「もしかしてなんだけど…」
私は、次に言われる言葉が、とんでもない言葉だって、想像もしてなかったんだ。
「おはようござ…」
私が教室に入ろうとすると、
「ちょっと、ちょっと、ちょっと!1回廊下きて‼︎」
亜美がそう言い、
「こっち!」
乙音が私の腕をひく。
「ど、どうしたの2人とも」
「それがね、香織…彼氏にフラれちゃったんだって」
乙音が目を伏せながら言う。
「あの、いい感じだった先輩と?」
私が訊くと、亜美が辛そうに口を開く。
「うん。先輩に、他に好きな人ができたんだって。しかも、フリかたもヒドいフリかただったらしいよ。『お前なんかといても楽しくない。もう付き合えない。俺には好きな人がいる』…って」
「何それ、ヒドい…」
シン、と静まり返ってしまった私たちの空気を和ませるように、
「こうなったらさ!香織をなぐさめに行こう⁉︎ ウジウジしたって何も解決できないよ」
亜美がそう提案する。
「そうだね!行こう」
乙音が元気よく言い、亜美がうんうんってうなずいてる。
「おはよう、ございます…」
私がそう言うと、香織がハッと顔を上げて、無理矢理笑顔をつくって、
「…ぉはよう」
とかすれた声で言った。
「香織…」
乙音がポツンとつぶやく。
「いいんだよ、別に…先輩に好きな人ができるって、それで幸せになれるなら、私は…」
亜美は無言で香織を抱きしめ、乙音は手を握る。
乙音に手招きされ、私ももう片方の手を握った。
こういうのを失恋、とか言うのかな。
私だけなんか、違うこと考えてて…本当に私、この3人の友達でいいのかな。
なんて、ふと思った。
「では、今日も班活動の計画を進めて下さい」
気がつくと1時間目が始まっていて、また班で計画を立てることになった。
「じゃっ、今日も計画立てますか‼︎ ん?何か香織、元気ねぇーな」
うわぁ…‼︎ 何言ってんの⁉︎ ってそうか、創紀くんは知らないんだ!
「…そうかな?」
「俺の勘違いか〜。まぁいいや、元気出せよな‼︎ あっ、俺が誰かのモノマネでもしてやろうか?そしたらみんな笑ってハッピーだよな!」
ガハハと豪快に笑う創紀くんに、香織はニコリと笑みを返す。
「じゃあ、モノマネして」
「いいぜ!何の?」
「やだなー、冗談だよ」
香織が少し元気を取り戻してくれて、私は微笑む。
「そういえばアレだな、もうすぐ七夕祭り?楽しみだな」
創紀くんがそう言うと、香織がうんうんってうなずいてる。
「コイツも言わないけど、密かにめっちゃ楽しみにしてるんだぜ、奈那」
何で私に言ったんだろう?
あと、密かにって言ったら意味なくない…?
そう思ったら、
「創紀っ…‼︎」
と焦った雅空の声が飛んできた。
「ん?言われたくなかったか?でも言っちゃったんだし、しょーがねーだろ!あと、事実だしな!」
どんだけポジティブなの、創紀くん…。
私と雅空は顔を見合わせて、苦笑い。
「ごめん、雅空、ちょっと来て」
「ん、わかった」
香織に呼ばれて、雅空は行ってしまう。
香織と創紀くんを見て、もしかしてと思うこと。それは__
「創紀くん」
「奈那」
創紀くんと言葉がかぶってしまって、どうぞどうぞと譲り合う。
「じゃあ、俺から…」
「うん」
「もしかしてなんだけど…」
私は、次に言われる言葉が、とんでもない言葉だって、想像もしてなかったんだ。