君の花火を忘れない
いじめ
落ち込んだまま月日は経って、七夕祭り3日前になった。
ここ最近、香織と雅空が一緒にいることが多くて、さらに落ち込む日々。
創紀くんも2人を複雑な表情で見ている。
「なぁ、奈那…俺、七夕祭りで香織に告ろうと思うんだけど、フラれるかな?」
「うーん…それはなんとも言えないよ。そんなことないよ!って言いたいけどさ…」
「だよな…」
切なそうに笑う創紀くん。私も同じくらい苦しいよ。
放課後、部活終わりに私は土手沿いを歩いていた。とても帰ろうなんて思えない。
「はぁ…香織と雅空が付き合う…やだなぁ」
香織にはたくさん迷惑かけて、助けてもらってる…のに。
今は、香織がいなければって思う私が最低だ。
「私…どうすればいいのかな」
ドンッ
前を見てなかったせいで、誰かと肩が当たってしまう。
「ごめんなさ…」
私はその人を見て、息をのむ。
「あれぇ〜?奈那じゃん。元気ぃ?今も先生とかに気に入られようとしてるの?」
相変わらず最低なヤツ…!
私はうつむいて下唇を噛む。
ここは我慢しなくちゃ。
「あ、そういえばさ。ちょうどここにゴミあるんだよね。ちりとり持ってる?ふふっ。先生呼んできて、私掃除してますアピールしたら?はい、これ」
楓の取り巻きの人たちが私の前にゴミ袋を置く。
「…もしかして、アンタ七夕祭り行くの?」
「楓ちゃん。その子、七夕誕生日だよ〜!せめて、お祭り行かないと気分が晴れないよ〜」
「そっかぁ。気の毒なこと訊いちゃってごめん。じゃあね〜、奈那」
楓の言う通りにしたくなくて、ゴミ忘れてる、とゴミ袋をつきだす。
「それは、アンタの仕事でしょ」
「私、いやなんだけど」
ハッキリ言えた…!
だけど、楓が納得するわけがなく。
「そのままだと、環境に悪いんじゃないかな〜?はやく持って帰んなさいよ。あっ、そういえば、お祭りの花火見ない方がいいよ。だって…ふふっ。花火ってアンタみたい。いいとこ見せようとして、存在ごと消えるの。笑えるよね。そうしたら、次の番の人…じゃなくて花火だね。が出て来て、人々はそれに魅了される。まるで、その前の花火がなかったようにね」
「それは、恋でも人間関係でもそうだよね。実際、楓ちゃんの存在が大き過ぎて、奈那の存在、忘れられてた気がするのは私だけ〜?」
「うんうん。なんか、クラスにいたっけ?って感じだよね」
どうして中学も別れたのに、そんなこと言うの?
胸がキリキリと張り裂けそうで、怒りで涙が出て来そうになる。
「みんな、やめなよ。奈那、嫌がってんじゃん。じゃあまた、花火大会で〜」
「そっか、ごめんね、奈那!またね」
「ってかさ、なんで七夕祭り来んの?ウザいんだけど。さっきも言った通り、花火見たら惨めな気持ちになっちゃうのに〜」
そんな言葉とゴミ袋を残して、楓たちは去って行った。
私はその場にとどまることしかできなかった。
ここ最近、香織と雅空が一緒にいることが多くて、さらに落ち込む日々。
創紀くんも2人を複雑な表情で見ている。
「なぁ、奈那…俺、七夕祭りで香織に告ろうと思うんだけど、フラれるかな?」
「うーん…それはなんとも言えないよ。そんなことないよ!って言いたいけどさ…」
「だよな…」
切なそうに笑う創紀くん。私も同じくらい苦しいよ。
放課後、部活終わりに私は土手沿いを歩いていた。とても帰ろうなんて思えない。
「はぁ…香織と雅空が付き合う…やだなぁ」
香織にはたくさん迷惑かけて、助けてもらってる…のに。
今は、香織がいなければって思う私が最低だ。
「私…どうすればいいのかな」
ドンッ
前を見てなかったせいで、誰かと肩が当たってしまう。
「ごめんなさ…」
私はその人を見て、息をのむ。
「あれぇ〜?奈那じゃん。元気ぃ?今も先生とかに気に入られようとしてるの?」
相変わらず最低なヤツ…!
私はうつむいて下唇を噛む。
ここは我慢しなくちゃ。
「あ、そういえばさ。ちょうどここにゴミあるんだよね。ちりとり持ってる?ふふっ。先生呼んできて、私掃除してますアピールしたら?はい、これ」
楓の取り巻きの人たちが私の前にゴミ袋を置く。
「…もしかして、アンタ七夕祭り行くの?」
「楓ちゃん。その子、七夕誕生日だよ〜!せめて、お祭り行かないと気分が晴れないよ〜」
「そっかぁ。気の毒なこと訊いちゃってごめん。じゃあね〜、奈那」
楓の言う通りにしたくなくて、ゴミ忘れてる、とゴミ袋をつきだす。
「それは、アンタの仕事でしょ」
「私、いやなんだけど」
ハッキリ言えた…!
だけど、楓が納得するわけがなく。
「そのままだと、環境に悪いんじゃないかな〜?はやく持って帰んなさいよ。あっ、そういえば、お祭りの花火見ない方がいいよ。だって…ふふっ。花火ってアンタみたい。いいとこ見せようとして、存在ごと消えるの。笑えるよね。そうしたら、次の番の人…じゃなくて花火だね。が出て来て、人々はそれに魅了される。まるで、その前の花火がなかったようにね」
「それは、恋でも人間関係でもそうだよね。実際、楓ちゃんの存在が大き過ぎて、奈那の存在、忘れられてた気がするのは私だけ〜?」
「うんうん。なんか、クラスにいたっけ?って感じだよね」
どうして中学も別れたのに、そんなこと言うの?
胸がキリキリと張り裂けそうで、怒りで涙が出て来そうになる。
「みんな、やめなよ。奈那、嫌がってんじゃん。じゃあまた、花火大会で〜」
「そっか、ごめんね、奈那!またね」
「ってかさ、なんで七夕祭り来んの?ウザいんだけど。さっきも言った通り、花火見たら惨めな気持ちになっちゃうのに〜」
そんな言葉とゴミ袋を残して、楓たちは去って行った。
私はその場にとどまることしかできなかった。