家出した野良犬くん×4を拾ったら溺愛生活が幕を開けました。
「では次はお待ちかね!今回のショー女子の部大本命!蓮雅さんです!」
え、なに大本命って。
同じクラスだよね、司会さん?
主催のクラスの出場者が大本命ってどうなの。
まぁいっか・・・。
零亜となんか約束しちゃってたし、本命って言ってもらえるならできる限りこのコトはしよう。
これはセンスを争うショー。
だからアピールとかはない。
ただランウェイを歩いて、帰るだけ。
その間にカメラマンさんが全身の写真を撮ってくれて、印刷して貼り付けるんだ。
だから、ショーを見れなかった人にも投票してもらえる。
ちなみに、これを考えたのは私だよっ♪
一番端まで行き、カメラさん目線でくるっと回ったりしてみる。
ふふふ・・・せめて見栄えだけでもよくしなきゃねっ・・・。
カメラさんの顔が赤くなる。
ん・・・?写真撮りすぎて疲れたのかな・・・出番が終わったら代わってあげようか。
そんなコトを考えながら手を振り、退場。
また接客の服に着替えてカメラさんのところに行った。
「代ろうか?」
「え?・・・って蓮雅・・・!」
急に登場した私を見てなのか、私が来ている服を見てなのか、目を見開くカメラの男の子。
「休憩してきてもいいし、友達と回ってきてもいいよ!ずっと疲れるでしょ?」
「あ、ありがとうっ・・・!じゃあお言葉に甘えて・・・!」
休憩時間を待っていたのか、男の子は嬉しそうにカメラを渡して走って行った。
接客の次は化粧係、ショーに出場してカメラマン、第3部が終了したら写真を印刷しに行って貼り付ける。
で、投票の声掛けをして出場者として舞台に並ぶ。
・・・なかなかのハードスケジュール。
めちゃくちゃバイトしてた時に比べれば余裕のよっちゃん鴉のかーちゃんなんだけどね。
・・・今私が来ているのは・・・なんていうか、メルヘンなドレス・・・。
遊園地の着ぐるみの隣に居そうな人の格好だ。
ピンクや赤、オレンジのドレスではない。
どちらかというとおばけ屋敷の前に居そうな、黒っぽいのドレスだ。
黒や紺、紫などのグラデーションにきらきらとした青のラメ。
丈はひざ下といかにも遊園地っぽい。
頭には猫耳を付けて、お尻には尻尾を付けている状態。
『は~い取りますよ~!はいっチーィズゥッ!』みたいなキャラだ。
とにかく明るくてファンシーな。
次々と歩いてくる人をパシャパシャと取り、自分にはカメラマンの才能があるのでは・・・?と考える。
「・・・これで第3部門女子の部を終了いたします!続いては男子の部になります!男子の皆さん用意はいいですか?!」
幼稚園児の発表会のようなテンションの司会さん。
・・・まぁ、楽しんでるならいいコトだ。
「トップバッターは・・・おっと最初から大学生だ!女子の皆さん大好き年上なんではないでしょーかー?!」
大学生・・・?
「おやおや!大学生の方が4人連続です!ではどうぞ!」
歌番組のように大きく手を振り、舞台の入り口を見る司会さん。
「まずは・・・玖音さん!名字は隠したいそうです!」
玖音か!トップバッター・・・すごいな、どうやって順番決めてるんだろう。
舞台が光り、玖音が歩いてくる。
「わ・・・」
玖音が来ているのはミルクティー色のスーツだった。
金色のボタンが光を反射してキラリと輝く。
私の前で立ち止まった玖音はカメラを持つ私を見て目を見開き、顔を赤くする。
ん・・・?
すぐハッとしたように脚を曲げ、ポーズをとる玖音の写真を撮ってニッコリ笑った。
それを見た玖音は道を引き返して退場。
「次は魅蕾さんです!」
魅蕾か・・・あれ、化粧室でどんな格好してたっけ?
コツ、コツ・・・と足音がする。
出てきた魅蕾は貴族のような恰好をしていた。
白のタキシードの上にマントを羽織り、私を見る。
ニコッと爽やかスマイルを見せた魅蕾はシャッター音を聞いて引き返していった。
次は想蘭と添伽、どっちだろう?
「つづいては・・・想蘭さん!」
想蘭だ!
可愛い恰好していたような?
入口に裾が覗く。
あれ・・・丈が長いし、ドレスのように広がってないけど足元まで隠れている。
これは・・・。
ふわふわの水色のボブを揺らし、楽しそうに歩く想蘭。
それは着物姿で、・・・袴?
水色と青の袴を着ていた。
いえーい!と可愛らしいポーズを決める想蘭は、同じく大学生らしき女の人たちから大人気だ。
「添伽さん、どうぞ!」
添伽、こういうのやらなそうだけど・・・。
お願いしたらやるって言ってくれたんだよね。
センスもいいみたいだし、何よりやる気がすごかった。
「・・・お」
添伽は不機嫌オーラ満載のパーカー。
白に少し灰色の柄が入っている。
ふーん・・・年上からも年下らも人気だなぁ・・・。
美貌&センスって最強だね、ってか最恐?
神様この人に色んなもの与えすぎて恐いですよ。
「・・・蓮・・・」
カメラを持つ私に気づいた添伽が名前を呼びそうになり、慌ててしーっと指を立てる。
その仕草でハッとしたらしい添伽はカメラ目線で少しだけ口角を釣り上げた。
添伽が笑ってくれるとは思わなかった・・・。
この写真見た人発狂しちゃいそう。
昨日1日一緒にいてあげられなかったし、帰ったらたくさん甘やかしてあげよっかな。
・・・いや、添伽って甘やかされるよりも甘やかしたいタイプだったっけ?
帰ったら訊けばいっか。
そしてしばらくいろんな男・・・子?男・・・性?が歩いてきて、私はとにかくいい角度で写真を撮るだけ。
「では最後です!零亜さん!」
お、零亜の出番。
優勝の約束したし、いい写真撮らなきゃね。
ちょこっと手を振り、カメラアピールをする。
私の目立つ髪色と格好のせいか、零亜とすぐに目が合った。
「・・・ふ」
余裕の笑みを零し、くるりと回る零亜。
着ている昭和風の洋服がなびき、キャーッと黄色い歓声が上がった。
さすが美少年&センスの三つ子。
いい感じだよー・・・と指で丸を作り、顎で退場を促す。
「以上でファッションショーを終了いたします。少し経ちましたら体育館の壁に票を貼ります。金色の丸シールを写真の下の枠に貼って投票してください。第1部、第2部の投票は終了しております。投票は男女1票ずつでお願いいたします。ご自身に投票してもらっても構いません。繰り返します──」
落ち着きを取り戻した司会さんが投票の説明をするのを聞きながら私は職員室に急ぐ。
カメラの写真を印刷し、紙に貼って投票してもらうのだ。
紙を持つ子たちは空き教室に待機してもらい、私は印刷をしに行く。
全員分を印刷し、私は写真をもって空き教室に走った。
「写真持ってきたよー!」
両面テープと画用紙を持った子たちがパッと顔を上げ、安心したように息を零す。
「じゃあ貼るよ!急ご!」
行ってすぐ、私は余っていた両面テープを手に取って女子の部のほうの画用紙の前に正座した。
あらかじめ書いてある枠の上に写真を貼り・・・を繰り返す。
「あ、シールかごに入れなきゃ」
金の丸シールを手に取って、私は画用紙の横に付ける予定のかごに入れた。
「男子の部オッケー!」
「女子の部もいいよ!」
数人で大きな画用紙を持ち、体育館に入る。
両面テープで壁に画用紙を貼り付け、ふーっと息を吐いた。
これでまずは終わっ──
「蓮雅、1部と2部で票が多い5人出して!その5人の写真は剥がして新しい紙に貼ってね!空き教室の棚に画用紙はあるから!」
てはなかった。
「はい、やるよ!」
剥がされた画用紙を受け取り、私は暇そうなクラスメイトを連れて空き教室に走った。
え、なに大本命って。
同じクラスだよね、司会さん?
主催のクラスの出場者が大本命ってどうなの。
まぁいっか・・・。
零亜となんか約束しちゃってたし、本命って言ってもらえるならできる限りこのコトはしよう。
これはセンスを争うショー。
だからアピールとかはない。
ただランウェイを歩いて、帰るだけ。
その間にカメラマンさんが全身の写真を撮ってくれて、印刷して貼り付けるんだ。
だから、ショーを見れなかった人にも投票してもらえる。
ちなみに、これを考えたのは私だよっ♪
一番端まで行き、カメラさん目線でくるっと回ったりしてみる。
ふふふ・・・せめて見栄えだけでもよくしなきゃねっ・・・。
カメラさんの顔が赤くなる。
ん・・・?写真撮りすぎて疲れたのかな・・・出番が終わったら代わってあげようか。
そんなコトを考えながら手を振り、退場。
また接客の服に着替えてカメラさんのところに行った。
「代ろうか?」
「え?・・・って蓮雅・・・!」
急に登場した私を見てなのか、私が来ている服を見てなのか、目を見開くカメラの男の子。
「休憩してきてもいいし、友達と回ってきてもいいよ!ずっと疲れるでしょ?」
「あ、ありがとうっ・・・!じゃあお言葉に甘えて・・・!」
休憩時間を待っていたのか、男の子は嬉しそうにカメラを渡して走って行った。
接客の次は化粧係、ショーに出場してカメラマン、第3部が終了したら写真を印刷しに行って貼り付ける。
で、投票の声掛けをして出場者として舞台に並ぶ。
・・・なかなかのハードスケジュール。
めちゃくちゃバイトしてた時に比べれば余裕のよっちゃん鴉のかーちゃんなんだけどね。
・・・今私が来ているのは・・・なんていうか、メルヘンなドレス・・・。
遊園地の着ぐるみの隣に居そうな人の格好だ。
ピンクや赤、オレンジのドレスではない。
どちらかというとおばけ屋敷の前に居そうな、黒っぽいのドレスだ。
黒や紺、紫などのグラデーションにきらきらとした青のラメ。
丈はひざ下といかにも遊園地っぽい。
頭には猫耳を付けて、お尻には尻尾を付けている状態。
『は~い取りますよ~!はいっチーィズゥッ!』みたいなキャラだ。
とにかく明るくてファンシーな。
次々と歩いてくる人をパシャパシャと取り、自分にはカメラマンの才能があるのでは・・・?と考える。
「・・・これで第3部門女子の部を終了いたします!続いては男子の部になります!男子の皆さん用意はいいですか?!」
幼稚園児の発表会のようなテンションの司会さん。
・・・まぁ、楽しんでるならいいコトだ。
「トップバッターは・・・おっと最初から大学生だ!女子の皆さん大好き年上なんではないでしょーかー?!」
大学生・・・?
「おやおや!大学生の方が4人連続です!ではどうぞ!」
歌番組のように大きく手を振り、舞台の入り口を見る司会さん。
「まずは・・・玖音さん!名字は隠したいそうです!」
玖音か!トップバッター・・・すごいな、どうやって順番決めてるんだろう。
舞台が光り、玖音が歩いてくる。
「わ・・・」
玖音が来ているのはミルクティー色のスーツだった。
金色のボタンが光を反射してキラリと輝く。
私の前で立ち止まった玖音はカメラを持つ私を見て目を見開き、顔を赤くする。
ん・・・?
すぐハッとしたように脚を曲げ、ポーズをとる玖音の写真を撮ってニッコリ笑った。
それを見た玖音は道を引き返して退場。
「次は魅蕾さんです!」
魅蕾か・・・あれ、化粧室でどんな格好してたっけ?
コツ、コツ・・・と足音がする。
出てきた魅蕾は貴族のような恰好をしていた。
白のタキシードの上にマントを羽織り、私を見る。
ニコッと爽やかスマイルを見せた魅蕾はシャッター音を聞いて引き返していった。
次は想蘭と添伽、どっちだろう?
「つづいては・・・想蘭さん!」
想蘭だ!
可愛い恰好していたような?
入口に裾が覗く。
あれ・・・丈が長いし、ドレスのように広がってないけど足元まで隠れている。
これは・・・。
ふわふわの水色のボブを揺らし、楽しそうに歩く想蘭。
それは着物姿で、・・・袴?
水色と青の袴を着ていた。
いえーい!と可愛らしいポーズを決める想蘭は、同じく大学生らしき女の人たちから大人気だ。
「添伽さん、どうぞ!」
添伽、こういうのやらなそうだけど・・・。
お願いしたらやるって言ってくれたんだよね。
センスもいいみたいだし、何よりやる気がすごかった。
「・・・お」
添伽は不機嫌オーラ満載のパーカー。
白に少し灰色の柄が入っている。
ふーん・・・年上からも年下らも人気だなぁ・・・。
美貌&センスって最強だね、ってか最恐?
神様この人に色んなもの与えすぎて恐いですよ。
「・・・蓮・・・」
カメラを持つ私に気づいた添伽が名前を呼びそうになり、慌ててしーっと指を立てる。
その仕草でハッとしたらしい添伽はカメラ目線で少しだけ口角を釣り上げた。
添伽が笑ってくれるとは思わなかった・・・。
この写真見た人発狂しちゃいそう。
昨日1日一緒にいてあげられなかったし、帰ったらたくさん甘やかしてあげよっかな。
・・・いや、添伽って甘やかされるよりも甘やかしたいタイプだったっけ?
帰ったら訊けばいっか。
そしてしばらくいろんな男・・・子?男・・・性?が歩いてきて、私はとにかくいい角度で写真を撮るだけ。
「では最後です!零亜さん!」
お、零亜の出番。
優勝の約束したし、いい写真撮らなきゃね。
ちょこっと手を振り、カメラアピールをする。
私の目立つ髪色と格好のせいか、零亜とすぐに目が合った。
「・・・ふ」
余裕の笑みを零し、くるりと回る零亜。
着ている昭和風の洋服がなびき、キャーッと黄色い歓声が上がった。
さすが美少年&センスの三つ子。
いい感じだよー・・・と指で丸を作り、顎で退場を促す。
「以上でファッションショーを終了いたします。少し経ちましたら体育館の壁に票を貼ります。金色の丸シールを写真の下の枠に貼って投票してください。第1部、第2部の投票は終了しております。投票は男女1票ずつでお願いいたします。ご自身に投票してもらっても構いません。繰り返します──」
落ち着きを取り戻した司会さんが投票の説明をするのを聞きながら私は職員室に急ぐ。
カメラの写真を印刷し、紙に貼って投票してもらうのだ。
紙を持つ子たちは空き教室に待機してもらい、私は印刷をしに行く。
全員分を印刷し、私は写真をもって空き教室に走った。
「写真持ってきたよー!」
両面テープと画用紙を持った子たちがパッと顔を上げ、安心したように息を零す。
「じゃあ貼るよ!急ご!」
行ってすぐ、私は余っていた両面テープを手に取って女子の部のほうの画用紙の前に正座した。
あらかじめ書いてある枠の上に写真を貼り・・・を繰り返す。
「あ、シールかごに入れなきゃ」
金の丸シールを手に取って、私は画用紙の横に付ける予定のかごに入れた。
「男子の部オッケー!」
「女子の部もいいよ!」
数人で大きな画用紙を持ち、体育館に入る。
両面テープで壁に画用紙を貼り付け、ふーっと息を吐いた。
これでまずは終わっ──
「蓮雅、1部と2部で票が多い5人出して!その5人の写真は剥がして新しい紙に貼ってね!空き教室の棚に画用紙はあるから!」
てはなかった。
「はい、やるよ!」
剥がされた画用紙を受け取り、私は暇そうなクラスメイトを連れて空き教室に走った。