家出した野良犬くん×4を拾ったら溺愛生活が幕を開けました。
「それでは後夜祭の始まりでーす!」
生徒会長がマイクを手にそう宣言する。
私と零亜は、特別席が用意されていた。
おそらく、ファッションショーのコトが影響してるんだと思う。
まぁ、フォークダンスするんだけどね。
「・・・美しいお嬢様、貴女様の手を取ることをお許しください」
「もちろんですわ、喜んで」
芝居がかったセリフを口にする零亜にそう返してあげると。
零亜は嬉しそうに私の手を取った。
そのまま私の手を引き、キャンプファイヤーの周りに連れて行く。
音楽が流れ始め、私たちはステップを踏み始めた。
「・・・あ」
視界の端に、人だかりが映る。
その真ん中には・・・想蘭たちがいた。
おそらく、女の子たちからフォークダンスの誘いを受けてるんだろう。
イケメンも大変だな・・・。
「ほら、こっちに集中して」
私の視線の方向に気づいた零亜は強引に私を引き寄せる。
「はいはい」
かまってちゃんな零亜に苦笑し、私はダンスに集中するコトにした。
その間もバン、と花火が上がる。
「・・・花火を見ようか」
零亜の提案に頷き、私は零亜と特別席に向かった。
特別席のソファに座って花火を見つめる。
「綺麗・・・」
「・・・俺とどっちが?」
「ん-?どっちも綺麗だよ」
零亜の問いかけにこたえると、零亜は笑ってうなずいてくれた。
「・・・蓮雅」
「ん?どーした──っ?!」
花火に照らされた零亜の顔が近づいてくる。
そのまま額に柔らかいものが触れた。
「・・・零亜・・・?」
困惑しながら零亜の名前を呼ぶの意味は無し。
「ちょ、っと・・・!」
流れるように耳、眦、鼻先、頬へとキスが落とされる。
「どうしちゃったの・・・?」
変な薬でも飲まされた、のかな・・・?
唇はどんどん近づいてくる。
シトラスの香りがして、容赦のない攻撃が・・・無くなった、・・・え?
「・・・なにしてんの」
正確に言うと、無くなったというより飛ばされた。
・・・通りかかった、魅蕾によって。
魅蕾の長い脚が伸びている、横に。
その足に蹴飛ばされたらしい零亜の吹っ飛び、遠くのほうで止まった。
「・・・放ってけないな」
・・・嫌な予感がする。
私は抵抗する暇も与えられず、近くの物陰に連行された。
「・・・魅蕾、怒って、る・・・?」
「もちろん」
魅蕾はかろうじて笑みを浮かべてるけど、雰囲気は冷たかった、まるで魔王だ。
「あのさ、いい加減にしてくれないかな。なんであーなんの?」
「えっ・・・と、その」
言葉に詰まってしまう。
なにも悪いコトはないはずなのに。
「なんで俺以外の男に触れさせてんの。俺じゃ不満?」
「不満って・・・不満もなにもないわけで」
「あるよ。蓮雅は俺に触れられるだけじゃ満足できない?」
「それってどーゆー・・・」
不満も満足も、私たちはただの同居人なだけ。
「俺が、満足させる。俺だけで満足して。足りないなら俺に言うの」
どこか拗ねたような口調に戸惑う。
いつも大人で余裕な魅蕾じゃない。
年相応・・・っていうなら子供過ぎる?
大学生だし。
「俺しか蓮雅を満足させてあげられない、かな・・・」
「ぶ、ぶっ飛んでるよ!満足ってそもそもなに?!」
「ほら、蓮雅はちょっと触れられただけじゃ・・・」
そんな魅蕾の言葉と同時に、首筋と太ももに手が触れた。
するり、と撫でられる。
「ひゃっ・・・っん、ひぅ・・・っ」
「満足しない、でしょ?」
強弱をつけて優しく撫でられたり強く押されたりされて、身体が勝手に跳ねる。
「魅蕾、やめて!こんなコトするべきじゃないっ・・・」
慌てて魅蕾の傍から離れた。
「も、戻るねっ・・・」
あとで零亜に謝らないとなぁ・・・。
私は足早に特別席に向かい、零亜に土下座の勢いで謝罪したのである。
・・・まぁ、やり過ぎたって零亜にも謝られたから仲直りだね、喧嘩してないけど。
生徒会長がマイクを手にそう宣言する。
私と零亜は、特別席が用意されていた。
おそらく、ファッションショーのコトが影響してるんだと思う。
まぁ、フォークダンスするんだけどね。
「・・・美しいお嬢様、貴女様の手を取ることをお許しください」
「もちろんですわ、喜んで」
芝居がかったセリフを口にする零亜にそう返してあげると。
零亜は嬉しそうに私の手を取った。
そのまま私の手を引き、キャンプファイヤーの周りに連れて行く。
音楽が流れ始め、私たちはステップを踏み始めた。
「・・・あ」
視界の端に、人だかりが映る。
その真ん中には・・・想蘭たちがいた。
おそらく、女の子たちからフォークダンスの誘いを受けてるんだろう。
イケメンも大変だな・・・。
「ほら、こっちに集中して」
私の視線の方向に気づいた零亜は強引に私を引き寄せる。
「はいはい」
かまってちゃんな零亜に苦笑し、私はダンスに集中するコトにした。
その間もバン、と花火が上がる。
「・・・花火を見ようか」
零亜の提案に頷き、私は零亜と特別席に向かった。
特別席のソファに座って花火を見つめる。
「綺麗・・・」
「・・・俺とどっちが?」
「ん-?どっちも綺麗だよ」
零亜の問いかけにこたえると、零亜は笑ってうなずいてくれた。
「・・・蓮雅」
「ん?どーした──っ?!」
花火に照らされた零亜の顔が近づいてくる。
そのまま額に柔らかいものが触れた。
「・・・零亜・・・?」
困惑しながら零亜の名前を呼ぶの意味は無し。
「ちょ、っと・・・!」
流れるように耳、眦、鼻先、頬へとキスが落とされる。
「どうしちゃったの・・・?」
変な薬でも飲まされた、のかな・・・?
唇はどんどん近づいてくる。
シトラスの香りがして、容赦のない攻撃が・・・無くなった、・・・え?
「・・・なにしてんの」
正確に言うと、無くなったというより飛ばされた。
・・・通りかかった、魅蕾によって。
魅蕾の長い脚が伸びている、横に。
その足に蹴飛ばされたらしい零亜の吹っ飛び、遠くのほうで止まった。
「・・・放ってけないな」
・・・嫌な予感がする。
私は抵抗する暇も与えられず、近くの物陰に連行された。
「・・・魅蕾、怒って、る・・・?」
「もちろん」
魅蕾はかろうじて笑みを浮かべてるけど、雰囲気は冷たかった、まるで魔王だ。
「あのさ、いい加減にしてくれないかな。なんであーなんの?」
「えっ・・・と、その」
言葉に詰まってしまう。
なにも悪いコトはないはずなのに。
「なんで俺以外の男に触れさせてんの。俺じゃ不満?」
「不満って・・・不満もなにもないわけで」
「あるよ。蓮雅は俺に触れられるだけじゃ満足できない?」
「それってどーゆー・・・」
不満も満足も、私たちはただの同居人なだけ。
「俺が、満足させる。俺だけで満足して。足りないなら俺に言うの」
どこか拗ねたような口調に戸惑う。
いつも大人で余裕な魅蕾じゃない。
年相応・・・っていうなら子供過ぎる?
大学生だし。
「俺しか蓮雅を満足させてあげられない、かな・・・」
「ぶ、ぶっ飛んでるよ!満足ってそもそもなに?!」
「ほら、蓮雅はちょっと触れられただけじゃ・・・」
そんな魅蕾の言葉と同時に、首筋と太ももに手が触れた。
するり、と撫でられる。
「ひゃっ・・・っん、ひぅ・・・っ」
「満足しない、でしょ?」
強弱をつけて優しく撫でられたり強く押されたりされて、身体が勝手に跳ねる。
「魅蕾、やめて!こんなコトするべきじゃないっ・・・」
慌てて魅蕾の傍から離れた。
「も、戻るねっ・・・」
あとで零亜に謝らないとなぁ・・・。
私は足早に特別席に向かい、零亜に土下座の勢いで謝罪したのである。
・・・まぁ、やり過ぎたって零亜にも謝られたから仲直りだね、喧嘩してないけど。