死神×少女+2【続編】
第42話『その後、魔王とアヤメと……』
魔王とアヤメの娘、『アイリ』が生まれてからの、魔王一家の暮らしとは。
魔王とアヤメは、亜矢と同じマンションの1階の部屋に住んでいる。
そこにベビーベッドを置いて、今日もアヤメはアイリに付きっ切りだ。
そんなアヤメの背後から、魔王が近付いて抱きしめる。
「あっ…オラン?」
「アヤメ、オレ様の飯はどうした?」
「ちょっと待ってね。よしよしアイリ、お腹いっぱい?ねんねしようね~」
「……アヤメ、オレ様は腹減ったぞ。おい、アヤメ」
時刻はもう夜。夕飯の時間だ。
いくら愛娘の育児でも、アヤメに後回しにされて拗ねる魔王。
背後から強く抱きしめて耳元で訴える魔王に、ようやくアヤメは顔を合わせた。
「もう…オラン。大人なんだから、もう少し我慢しないと『めっ!』よ」
「なら、飯の前に『大人らしい事』をするか?」
「え、だ、だめ、アイリが寝てから……」
「見てねぇだろ」
魔王の辞書に『我慢』の文字はない。
少し強引にアヤメの腰を引き寄せると、頬を赤くしたアヤメを視線でも捉える。
簡単に引き寄せられたアヤメは、まんざらでもない。
「愛してるぜ、アヤメ」
「オラン、好き……」
とろけそうなほどに熱く視線を重ねて見つめ合った後、二人は唇を重ねようとしたが……
ビュンッ!!
何かが魔王めがけて、一直線に飛んできた。
ボフッ!!
「ぐおっ……!?」
それは魔王の横顔に直撃して横によろめき、キスは不発に終わった。
弾丸のように飛んできたのは、ソファに置いてあったクッションだ。
しかし、ソファには誰も座っていない。
この部屋にいるのは、魔王とアヤメとアイリの3人だけだ。
魔王とアヤメは、すぐにそれが誰の仕業であるか気付いた。
二人同時に、ベビーベッドに視線を向ける。
するとそこには、二人の方を見て手足をバタバタさせている愛娘、アイリの姿。
「アイリ、また邪魔しやがって……」
まだ赤子のアイリが、魔法でクッションを飛ばしたのだ。
強大な魔力を持つアイリは、無意識に魔法を発動してしまう。
アイリは、魔王の魔力を完璧に受け継いで生まれた。
生まれながらに弱い魔力しか持たない、兄のコランとは対照的だ。
アヤメはベビーベッドに近寄って話しかける。
「アイリ、よしよし。パパが強引で、驚いちゃったよね~?」
「……オイ」
なぜか悪者にされてしまった魔王であった。
その時。
バタンッ!!
今度は、クローゼットの扉が音を立てて勝手に開いた。
魔王とアヤメは、亜矢と同じマンションの1階の部屋に住んでいる。
そこにベビーベッドを置いて、今日もアヤメはアイリに付きっ切りだ。
そんなアヤメの背後から、魔王が近付いて抱きしめる。
「あっ…オラン?」
「アヤメ、オレ様の飯はどうした?」
「ちょっと待ってね。よしよしアイリ、お腹いっぱい?ねんねしようね~」
「……アヤメ、オレ様は腹減ったぞ。おい、アヤメ」
時刻はもう夜。夕飯の時間だ。
いくら愛娘の育児でも、アヤメに後回しにされて拗ねる魔王。
背後から強く抱きしめて耳元で訴える魔王に、ようやくアヤメは顔を合わせた。
「もう…オラン。大人なんだから、もう少し我慢しないと『めっ!』よ」
「なら、飯の前に『大人らしい事』をするか?」
「え、だ、だめ、アイリが寝てから……」
「見てねぇだろ」
魔王の辞書に『我慢』の文字はない。
少し強引にアヤメの腰を引き寄せると、頬を赤くしたアヤメを視線でも捉える。
簡単に引き寄せられたアヤメは、まんざらでもない。
「愛してるぜ、アヤメ」
「オラン、好き……」
とろけそうなほどに熱く視線を重ねて見つめ合った後、二人は唇を重ねようとしたが……
ビュンッ!!
何かが魔王めがけて、一直線に飛んできた。
ボフッ!!
「ぐおっ……!?」
それは魔王の横顔に直撃して横によろめき、キスは不発に終わった。
弾丸のように飛んできたのは、ソファに置いてあったクッションだ。
しかし、ソファには誰も座っていない。
この部屋にいるのは、魔王とアヤメとアイリの3人だけだ。
魔王とアヤメは、すぐにそれが誰の仕業であるか気付いた。
二人同時に、ベビーベッドに視線を向ける。
するとそこには、二人の方を見て手足をバタバタさせている愛娘、アイリの姿。
「アイリ、また邪魔しやがって……」
まだ赤子のアイリが、魔法でクッションを飛ばしたのだ。
強大な魔力を持つアイリは、無意識に魔法を発動してしまう。
アイリは、魔王の魔力を完璧に受け継いで生まれた。
生まれながらに弱い魔力しか持たない、兄のコランとは対照的だ。
アヤメはベビーベッドに近寄って話しかける。
「アイリ、よしよし。パパが強引で、驚いちゃったよね~?」
「……オイ」
なぜか悪者にされてしまった魔王であった。
その時。
バタンッ!!
今度は、クローゼットの扉が音を立てて勝手に開いた。