死神×少女+2【続編】
第44話『その後、亜矢とグリア』
放課後、亜矢は学校の屋上に来ていた。
大事な話があると、グリアに呼び出されたのだ。
「……何の用なの?」
先に屋上で待っていたグリアに、亜矢は動揺を隠しながら問いかける。
放課後の屋上に呼び出し、そして大事な話……。
これって、これって……まるで……
「あぁ、これからの話だ」
そう返すグリアは、青空を背景にして銀色の髪を風に靡かせている。
今日も相変わらず、悔しいほどにイケメンだ。
「何よ、急に改まって」
死神らしくない、という言葉は言わなくても伝わっているだろう。
これからとは一体、いつから、いつまでの事を指すのだろう。
死神の基準や思考なんて、人間である亜矢には想像もできない。
「一生『口移し』をしなくても済む方法だ」
「また、その話?……だからって、頬は嫌よ」
どうしてグリアがまた、この問題について改めて告げようとするのか。
その言葉の意味を…それをグリアが言う真意を、亜矢は知らない。
「オレ様は、死神界では生命力を消耗しねえって言ったよな」
「言ったけど、それが何?」
それならば、グリアが一人で死神界に戻って暮らせばいいのでは……
それで全ては解決するのでは……
という考えは、亜矢は思い浮かばない。
グリアと毎日一緒にいて、学校に通って、夕飯を食べて……
……口移し、して。
そんな日常が当たり前になっていた。
それを不快とか否定するなんて考えは、今では思考の片隅にもない。
……それは亜矢の、無意識の、無言の肯定。
抵抗しながらも受け入れるのは、素直ではないだけ。
……そして、これから告げるのは、グリアの決意。
一生『口移し』をしなくても済む、もう1つの方法。
「オレ達が一緒に死神界で暮らせばいいんだ」
「……え?」
「高校を卒業したら、死神界へ来い」
それは求婚とも取れる、グリアの突然の申し出。
そんな事を急に言われても、死神界なんて……亜矢には想像ができない。
だが、亜矢は少し頬を赤くして視線を落とした。
「なんか、それって……勝手すぎない?いつもの事だけど……」
「そうか?まんざらでもねぇだろ?」
「そういう所よ、バカ……」
第一、いつまで一緒にいられるのだろう?
おそらく死神も、魔王のように寿命が長いのだろう。
人間である自分が、何千年、何万年も生きられるわけ……
「あぁ、あと、言い忘れてたけどな」
「え?な、なに!?」
「あんたの寿命はオレ様と同じくらい長いぜ。多分な」
「は……?」
まるで亜矢の疑問を見透かしたかのように、グリアが打ち明けた真実。
しかし、亜矢の思考は追いつかない。
「な、なんでよ!?あたし、普通の人間なのよ!?」
「普通の『心臓』じゃねぇよな?忘れたのか?」
「……あ」
そう。亜矢は一度、事故死して、グリアから新しい心臓を与えられた。
『魂の器』の儀式、つまり『口移し』によって、その心臓には膨大な『命の力』が注ぎ込まれた。
その結果、単に生き返っただけでなく、膨大な生命力を宿したのだ。
寿命が、果てしなく延びてしまうくらいに。
「いやーーーっ!!やめて!!なんかそれ、すっごく怖いんだけど!!」
「なんだ、嬉しくねぇのか?」
「嬉しくない!!何なのよ、勝手に人外と一緒にされて!!」
例え亜矢の寿命が先に尽きてしまったとしても、『魂の輪廻』の儀式によって転生を繰り返す。
これによって、グリアが亜矢を永遠に手に入れる図式が出来上がった。
完全に、完璧に嵌められたのである。
大事な話があると、グリアに呼び出されたのだ。
「……何の用なの?」
先に屋上で待っていたグリアに、亜矢は動揺を隠しながら問いかける。
放課後の屋上に呼び出し、そして大事な話……。
これって、これって……まるで……
「あぁ、これからの話だ」
そう返すグリアは、青空を背景にして銀色の髪を風に靡かせている。
今日も相変わらず、悔しいほどにイケメンだ。
「何よ、急に改まって」
死神らしくない、という言葉は言わなくても伝わっているだろう。
これからとは一体、いつから、いつまでの事を指すのだろう。
死神の基準や思考なんて、人間である亜矢には想像もできない。
「一生『口移し』をしなくても済む方法だ」
「また、その話?……だからって、頬は嫌よ」
どうしてグリアがまた、この問題について改めて告げようとするのか。
その言葉の意味を…それをグリアが言う真意を、亜矢は知らない。
「オレ様は、死神界では生命力を消耗しねえって言ったよな」
「言ったけど、それが何?」
それならば、グリアが一人で死神界に戻って暮らせばいいのでは……
それで全ては解決するのでは……
という考えは、亜矢は思い浮かばない。
グリアと毎日一緒にいて、学校に通って、夕飯を食べて……
……口移し、して。
そんな日常が当たり前になっていた。
それを不快とか否定するなんて考えは、今では思考の片隅にもない。
……それは亜矢の、無意識の、無言の肯定。
抵抗しながらも受け入れるのは、素直ではないだけ。
……そして、これから告げるのは、グリアの決意。
一生『口移し』をしなくても済む、もう1つの方法。
「オレ達が一緒に死神界で暮らせばいいんだ」
「……え?」
「高校を卒業したら、死神界へ来い」
それは求婚とも取れる、グリアの突然の申し出。
そんな事を急に言われても、死神界なんて……亜矢には想像ができない。
だが、亜矢は少し頬を赤くして視線を落とした。
「なんか、それって……勝手すぎない?いつもの事だけど……」
「そうか?まんざらでもねぇだろ?」
「そういう所よ、バカ……」
第一、いつまで一緒にいられるのだろう?
おそらく死神も、魔王のように寿命が長いのだろう。
人間である自分が、何千年、何万年も生きられるわけ……
「あぁ、あと、言い忘れてたけどな」
「え?な、なに!?」
「あんたの寿命はオレ様と同じくらい長いぜ。多分な」
「は……?」
まるで亜矢の疑問を見透かしたかのように、グリアが打ち明けた真実。
しかし、亜矢の思考は追いつかない。
「な、なんでよ!?あたし、普通の人間なのよ!?」
「普通の『心臓』じゃねぇよな?忘れたのか?」
「……あ」
そう。亜矢は一度、事故死して、グリアから新しい心臓を与えられた。
『魂の器』の儀式、つまり『口移し』によって、その心臓には膨大な『命の力』が注ぎ込まれた。
その結果、単に生き返っただけでなく、膨大な生命力を宿したのだ。
寿命が、果てしなく延びてしまうくらいに。
「いやーーーっ!!やめて!!なんかそれ、すっごく怖いんだけど!!」
「なんだ、嬉しくねぇのか?」
「嬉しくない!!何なのよ、勝手に人外と一緒にされて!!」
例え亜矢の寿命が先に尽きてしまったとしても、『魂の輪廻』の儀式によって転生を繰り返す。
これによって、グリアが亜矢を永遠に手に入れる図式が出来上がった。
完全に、完璧に嵌められたのである。