死神×少女+2【続編】
……なんだかもう、逃げられる気がしない。

亜矢は諦めて、ため息をついた。
するとグリアの美しい紫の瞳が、亜矢の眼前にまで迫ってきた。

「してもいいよな?」
「……あ、今日の『口移し』?もう、好きにして……」


「いや、キスだ」


屋上の床に投影された二人の影が……静止画のように見つめ合う二人が。
やがて、二人の物語が動き出したかのように。
ゆっくりと再生され、それは重なり、一つのシーンを描いていく。




告白だとか、好きだとか、付き合おうだとか。
二人には、そういう言葉も、関係も必要ない。
言葉なんて、返事なんて、いらない。
今日も向かいあって『口移し』という名のキス……唇を重ねるだけで。
それだけで……分かり合えるのだから。




『口移し』が終わっても、『キス』は永遠に終わらない。
死神と少女、二人が共に生きる為のキス。


それが、二人の愛の形なのだから。
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