死神×少女+2【続編】
ふとリョウが気付くと、いつの間にか亜矢の姿がそこになかった。
亜矢はリョウとレイナを玄関に残したまま、グリアの部屋へと上がっていたのだ。
亜矢はグリアの部屋に入るなり、問いつめるようにしてグリアに迫った。
「なんで、あの子があんたの部屋にいるのよ!?」
「ああ?」
いつもと違う亜矢の迫力に、さすがのグリアも圧倒される。
「リョウくんの妹のレイナちゃんよ!」
「ああ、さっきの天使の事か。やっぱりリョウの妹だったか」
どこか主旨のズレた返答をするグリアに、亜矢は苛立ってくる。
だが、グリアは至って落ち着いている。
「知らねえよ、あいつが勝手にこの部屋に降って来たんだからな」
「そうじゃないわよ!あんた、レイナちゃんに手出してないでしょうね!?」
何故、今日の亜矢はここまでして畳みかけてくるのか。
亜矢の心を見抜いたグリアは、ニヤリと得意の笑いを浮かべた。
「何笑ってるのよ?」
「いや……?ククク」
まさか、亜矢がこの程度の事で妬くとは。
これは面白いモノが見れたとばかりに、グリアは楽しくなってきたのだ。
「あんたでも妬くんだな?」
「なっ!?違っ………バカぁッ!!」
亜矢は勢いでグリアを叩こうとして片手を振り上げたが、簡単にその片手を掴まれてしまった。
それだけでなく、グリアは掴んだ手を力強く引き寄せ、亜矢に口付けたのだ。
「………………!?」
突然の事に、言葉も出ない亜矢。いや、今は口を塞がれているので当然だが。
いつもなら、こういった強引な『口移し』に対しては怒るのだが、今日の亜矢は違った。
『口移し』という名の『口封じ』が、亜矢の気を静めた。
無言のまま、二人はそっと離れた。
亜矢は落ち着いたというより、どこか呆然としてグリアを見ている。
「オレ様が、誰構わず手を出すとでも思ったか?」
「………違うの?」
亜矢は素っ気無く言い放った。
「そいつは心外だな」
そう言ったグリアの表情が真剣だったので、亜矢は何も言い返せなくなった。
亜矢がハっとして視線に気付くと、部屋の入り口にリョウとレイナが立っていた。
亜矢は衝撃に固まった。
(見られてた…!?死神との口移しを!!)
リョウはそんな二人を見慣れているので顔色1つ変えないが、衝撃を受けているのはレイナの方だった。
(グリアさんが……キスしてた!?)
レイナにとっては、純粋にグリアと亜矢がキスしているようにしか見えなかった。
いや、言葉の意味としては間違っていないのだが。
それぞれの衝撃に固まる亜矢とレイナ。
そんな中、グリアが不機嫌そうにしてリョウに冷たく言う。
「リョウ、さっさと連れて帰れ」
グリアは元々、天界や天使の事を毛嫌いしている。
そんな天使の中でも、グリアにとってリョウだけは特別な存在なのだ。
だが、レイナは帰るどころか、部屋の中へと入って来たのだ。
亜矢の目の前に立つと、弱気ながらも精一杯の力を瞳にこめて見上げた。
「あの………聞きたい事があるんです」
「……………え?」
訳も分からず、亜矢は気の抜けた声を出した。
とりあえず、亜矢はレイナとリョウを連れて自分の部屋へと帰る事にした。
グリアの部屋を出る時に、亜矢は本来の目的を思い出した。
再びグリアの前へと歩み寄ると、持っていた紙袋の中から小さな袋を1つ取り出し、グリアに渡した。
それは、亜矢がグリア用に作った砂糖控えめのクッキーだ。
「クッキー。リョウくんと一緒に作ったのよ」
照れ隠しなのか、亜矢はそれだけ言うとすぐに背中を向けた。
「待てよ」
グリアのその一言に亜矢が立ち止まり、振り向く。
すると、グリアは亜矢が見てる前で袋のリボンを解き始めたのだ。
そしてクッキーを1つ手に取り、口に入れた。
亜矢は、グリアの反応を待つかのようにじっと見ていた。
でも、反応は分かっている。いつも、グリアは感想は言わないのだ。
「まあまあだな。……また作れ」
感想とも言えない、グリアのその一言。
だが、それだけでも充分だっだ。
亜矢は嬉しくなって、照れを忘れてニッコリと笑いかけた。
亜矢はリョウとレイナを玄関に残したまま、グリアの部屋へと上がっていたのだ。
亜矢はグリアの部屋に入るなり、問いつめるようにしてグリアに迫った。
「なんで、あの子があんたの部屋にいるのよ!?」
「ああ?」
いつもと違う亜矢の迫力に、さすがのグリアも圧倒される。
「リョウくんの妹のレイナちゃんよ!」
「ああ、さっきの天使の事か。やっぱりリョウの妹だったか」
どこか主旨のズレた返答をするグリアに、亜矢は苛立ってくる。
だが、グリアは至って落ち着いている。
「知らねえよ、あいつが勝手にこの部屋に降って来たんだからな」
「そうじゃないわよ!あんた、レイナちゃんに手出してないでしょうね!?」
何故、今日の亜矢はここまでして畳みかけてくるのか。
亜矢の心を見抜いたグリアは、ニヤリと得意の笑いを浮かべた。
「何笑ってるのよ?」
「いや……?ククク」
まさか、亜矢がこの程度の事で妬くとは。
これは面白いモノが見れたとばかりに、グリアは楽しくなってきたのだ。
「あんたでも妬くんだな?」
「なっ!?違っ………バカぁッ!!」
亜矢は勢いでグリアを叩こうとして片手を振り上げたが、簡単にその片手を掴まれてしまった。
それだけでなく、グリアは掴んだ手を力強く引き寄せ、亜矢に口付けたのだ。
「………………!?」
突然の事に、言葉も出ない亜矢。いや、今は口を塞がれているので当然だが。
いつもなら、こういった強引な『口移し』に対しては怒るのだが、今日の亜矢は違った。
『口移し』という名の『口封じ』が、亜矢の気を静めた。
無言のまま、二人はそっと離れた。
亜矢は落ち着いたというより、どこか呆然としてグリアを見ている。
「オレ様が、誰構わず手を出すとでも思ったか?」
「………違うの?」
亜矢は素っ気無く言い放った。
「そいつは心外だな」
そう言ったグリアの表情が真剣だったので、亜矢は何も言い返せなくなった。
亜矢がハっとして視線に気付くと、部屋の入り口にリョウとレイナが立っていた。
亜矢は衝撃に固まった。
(見られてた…!?死神との口移しを!!)
リョウはそんな二人を見慣れているので顔色1つ変えないが、衝撃を受けているのはレイナの方だった。
(グリアさんが……キスしてた!?)
レイナにとっては、純粋にグリアと亜矢がキスしているようにしか見えなかった。
いや、言葉の意味としては間違っていないのだが。
それぞれの衝撃に固まる亜矢とレイナ。
そんな中、グリアが不機嫌そうにしてリョウに冷たく言う。
「リョウ、さっさと連れて帰れ」
グリアは元々、天界や天使の事を毛嫌いしている。
そんな天使の中でも、グリアにとってリョウだけは特別な存在なのだ。
だが、レイナは帰るどころか、部屋の中へと入って来たのだ。
亜矢の目の前に立つと、弱気ながらも精一杯の力を瞳にこめて見上げた。
「あの………聞きたい事があるんです」
「……………え?」
訳も分からず、亜矢は気の抜けた声を出した。
とりあえず、亜矢はレイナとリョウを連れて自分の部屋へと帰る事にした。
グリアの部屋を出る時に、亜矢は本来の目的を思い出した。
再びグリアの前へと歩み寄ると、持っていた紙袋の中から小さな袋を1つ取り出し、グリアに渡した。
それは、亜矢がグリア用に作った砂糖控えめのクッキーだ。
「クッキー。リョウくんと一緒に作ったのよ」
照れ隠しなのか、亜矢はそれだけ言うとすぐに背中を向けた。
「待てよ」
グリアのその一言に亜矢が立ち止まり、振り向く。
すると、グリアは亜矢が見てる前で袋のリボンを解き始めたのだ。
そしてクッキーを1つ手に取り、口に入れた。
亜矢は、グリアの反応を待つかのようにじっと見ていた。
でも、反応は分かっている。いつも、グリアは感想は言わないのだ。
「まあまあだな。……また作れ」
感想とも言えない、グリアのその一言。
だが、それだけでも充分だっだ。
亜矢は嬉しくなって、照れを忘れてニッコリと笑いかけた。