死神×少女+2【続編】
リョウがグリアと対峙していた、その時。
天界の王宮の『玉座の間』には、天王が一人。
その広く静寂に包まれた部屋の扉を、強引に開けた者がいた。
バン!!
そして、堂々とした足取りで天王に向かって歩み寄る。
天王は玉座に座ったまま、相手を見ても決して動じる事はない。
「随分と礼儀を知らぬ行為だな、魔王よ」
天王は静かな口調でその者を壇上から見下ろした。
天王の目の前に立つのは、『魔王』ことオランだ。
魔王はクククと笑った。
「オレ様は面倒な礼儀なんざ知らねえよ」
魔王は、正門から王宮に入ろうとしたグリアとは別ルートでこの場所に辿り着いたのだ。
天界と魔界は協定を結んでおり、天王と魔王は敵対はしていない。
いや、世界の秩序を守る為にも、お互いは敵対出来ない立場にあるのだ。
だが、天王と魔王は趣向や性格、全てが正反対であり、決して気のあう仲でもない。
魔王は部屋を見回し、周囲には誰もいない事を確認した。
「どうやら、オレ様が一番乗りみてえだな」
天王も魔王も、すでに知っていた。
グリアも、亜矢も。全ての者達が、ここを目指して集まってくるという事を。
「他の奴らが揃うまで、ここで待たせてもらうぜ」
「…………」
天王は何も返さない。
友との絆を断たれ、全ての根源となる敵を伐ち、その運命を切り裂く為に突き進む死神。
少女を想う故に友との絆を断ち、運命に服従する事を決めた堕天使。
二人の絆を取り戻す為、力になる為に運命に立ち向かう事を決意した少女。
一人の少女の笑顔を取り戻す為に、『運命という名の道』を切り開く手助けをする魔界の王。
全ての者が繋がる場所、目的地は同じ。
天王の元だ。
そして、全ての者を動かしているのは、たった一人の少女の存在。
春野亜矢という名を持つ、たった1つの魂に動かされて。
運命は、共通する1つの終着点に向かって繋がり始める。
天界の王宮の『玉座の間』には、天王が一人。
その広く静寂に包まれた部屋の扉を、強引に開けた者がいた。
バン!!
そして、堂々とした足取りで天王に向かって歩み寄る。
天王は玉座に座ったまま、相手を見ても決して動じる事はない。
「随分と礼儀を知らぬ行為だな、魔王よ」
天王は静かな口調でその者を壇上から見下ろした。
天王の目の前に立つのは、『魔王』ことオランだ。
魔王はクククと笑った。
「オレ様は面倒な礼儀なんざ知らねえよ」
魔王は、正門から王宮に入ろうとしたグリアとは別ルートでこの場所に辿り着いたのだ。
天界と魔界は協定を結んでおり、天王と魔王は敵対はしていない。
いや、世界の秩序を守る為にも、お互いは敵対出来ない立場にあるのだ。
だが、天王と魔王は趣向や性格、全てが正反対であり、決して気のあう仲でもない。
魔王は部屋を見回し、周囲には誰もいない事を確認した。
「どうやら、オレ様が一番乗りみてえだな」
天王も魔王も、すでに知っていた。
グリアも、亜矢も。全ての者達が、ここを目指して集まってくるという事を。
「他の奴らが揃うまで、ここで待たせてもらうぜ」
「…………」
天王は何も返さない。
友との絆を断たれ、全ての根源となる敵を伐ち、その運命を切り裂く為に突き進む死神。
少女を想う故に友との絆を断ち、運命に服従する事を決めた堕天使。
二人の絆を取り戻す為、力になる為に運命に立ち向かう事を決意した少女。
一人の少女の笑顔を取り戻す為に、『運命という名の道』を切り開く手助けをする魔界の王。
全ての者が繋がる場所、目的地は同じ。
天王の元だ。
そして、全ての者を動かしているのは、たった一人の少女の存在。
春野亜矢という名を持つ、たった1つの魂に動かされて。
運命は、共通する1つの終着点に向かって繋がり始める。