死神×少女+2【続編】
「ねえねえ亜矢、あれ見た!?気付いた~~!?」
授業の休み時間、親友の美保が興奮気味に亜矢の机の前に立ち、両手を突いて迫ってきた。
「え、な、何よ、何の事?」
亜矢は席に座ったまま圧倒された。美保の事なので、またリョウの事だろうか?
「気付かなかった?魔王先生の薬指よ~、指輪してたわ!!」
「え、そうなの?」
魔王とは朝、一緒に登校したが、亜矢は気付かなかった。
気付いたとしても、なんら不思議には思わない。
だが美保は残念そうに溜め息をついて肩を落とした。
「魔王先生が既婚者だったなんて、なんだかショックだわ~~」
「いや、だから……美保はリョウくん一筋なんでしょ?」
亜矢は飽きれて、力なく恒例の返しをする。
魔王の指輪は、きっと結婚指輪だろう。後でアヤメさんの指も見てみよう、と思った。
高校から帰ってきて、マンションの部屋の玄関のドアを開ける。
家の中は静かで、玄関から部屋の奥の方を見ても薄暗い。
いつもなら笑顔でコランが出迎えて来てくれるはずだが、その気配もない。
家の中には、誰もいないようだった。
(あっ、そうか……アヤメさんの部屋にいるのね)
今日から亜矢が学校にいる間は、アヤメがコランを預かってくれている事を思い出した。
いや…アヤメはコランの母親なのだから、預けるという表現も何か違うような気もする。
亜矢はカバンを置くと再び玄関を出て、階段を下りてマンションの1階に向かう。
マンションの1階の真ん中あたりに、魔王とアヤメの住む部屋がある。
亜矢は、もしや……と思っていたが、思った通り的中した。
妙に目立つ『魔王』の表札が掲げられた部屋があった。
このマンションには、すでに『死神』と『天使』という表札も存在する。
さらに、大家さんは天界の王。
最近では見慣れてしまったが、この異常事態を改めて表札で実感する事になった。
授業の休み時間、親友の美保が興奮気味に亜矢の机の前に立ち、両手を突いて迫ってきた。
「え、な、何よ、何の事?」
亜矢は席に座ったまま圧倒された。美保の事なので、またリョウの事だろうか?
「気付かなかった?魔王先生の薬指よ~、指輪してたわ!!」
「え、そうなの?」
魔王とは朝、一緒に登校したが、亜矢は気付かなかった。
気付いたとしても、なんら不思議には思わない。
だが美保は残念そうに溜め息をついて肩を落とした。
「魔王先生が既婚者だったなんて、なんだかショックだわ~~」
「いや、だから……美保はリョウくん一筋なんでしょ?」
亜矢は飽きれて、力なく恒例の返しをする。
魔王の指輪は、きっと結婚指輪だろう。後でアヤメさんの指も見てみよう、と思った。
高校から帰ってきて、マンションの部屋の玄関のドアを開ける。
家の中は静かで、玄関から部屋の奥の方を見ても薄暗い。
いつもなら笑顔でコランが出迎えて来てくれるはずだが、その気配もない。
家の中には、誰もいないようだった。
(あっ、そうか……アヤメさんの部屋にいるのね)
今日から亜矢が学校にいる間は、アヤメがコランを預かってくれている事を思い出した。
いや…アヤメはコランの母親なのだから、預けるという表現も何か違うような気もする。
亜矢はカバンを置くと再び玄関を出て、階段を下りてマンションの1階に向かう。
マンションの1階の真ん中あたりに、魔王とアヤメの住む部屋がある。
亜矢は、もしや……と思っていたが、思った通り的中した。
妙に目立つ『魔王』の表札が掲げられた部屋があった。
このマンションには、すでに『死神』と『天使』という表札も存在する。
さらに、大家さんは天界の王。
最近では見慣れてしまったが、この異常事態を改めて表札で実感する事になった。