BARでエンジェルキッスをくれた貴方は老舗呉服店の御曹司でした〜カクテル言葉はあなたに見惚れて〜

新人教育

フォトスタジオKOGUMA(こぐま)の4階会議室では1班の4月からの新入社員の紹介が行われていた。

「田辺 愛(たなべあい)といいます、20歳です、よろしくお願いします！」


パチパチパチと10人程の社員の拍手が会議室に響いていた。


KOGUMAは県内でも大手のフォトスタジオで10階建ての自社ビルを市内中心部に持っている会社だ。

撮影班は大きく3班に分かれていて1班は若い女性を中心に20歳の会などの振袖の貸出、写真撮影などが主である。

そして2班は主にウェディングフォトが中心

3班はキッズ中心で家族写真も3班の担当と大まかに分けられている。


1班は社員10人、パート5人でチームが組まれていて、その1班に今年唯一の新入社員が3ヶ月の研修を受けるのだ。

そして今年の田辺さんの教育係に私、西 姫乃(にしひめの)が班長に指名されてしまったのだ。

姫乃は社会人3年目に突入したばかりの24歳、今月誕生日を迎えると25歳になるのだが…

私よりもベテランさんが半分以上いるのになぜ？

3ヶ月で3班の方に行く事は決まっているからなのだろうか、そして次の3ヶ月で2班に回って行くらしい。

雑用的な事を教えるのでいいのだろうか…

3ヶ月ではなかなか難しい。

自分の時は同期がいた為、短いスパンで回す事はなく半年くらいは同じ班にいた。