BARでエンジェルキッスをくれた貴方は老舗呉服店の御曹司でした〜カクテル言葉はあなたに見惚れて〜
姫乃は泣き疲れて朝を迎えた。
腫れた目を冷やして次の日は仕事に行った。
そして定休日明けの水曜日、みんなの視線を姫乃はあびていた。
黒髪のサラサラロングヘアはボブカットになり黒髪はオレンジ色に変わっていた。
前髪ぱっつんはサイドに分けてピンでとめていた。
太志からもらった真っ赤な口紅も髪色に合わせたオレンジ系で茶色のカラーコンタクトをいれた。
変わりすぎじゃない?とコソコソ言ってるのも聞こえた。
特に会社での髪色などの規則は特になくて茶色や少し赤みがかかったヘアカラーをしている人は普通にいるが入社してからずっと同じ髪型でいた姫乃だから他の人がびっくりするのもわかる。
噂を聞きつけた満里絵が席にやってきた。
「姫乃、何かあったの?」
「ううん、何もないからよ満里絵」
「姫乃……」
社食に行くとまた視線を感じていた。
まあ覚悟はしてたけどね、気分転換でもしなきゃやってられないよ。
隣に普通に座る人がいた。
後藤くんだ。
「隣いいか?」
「もう座ってるじゃん(笑)注目を浴びるけどいいならどうぞ」
「髪型変わっても西は西じゃん」
ありがとうと姫乃は言った。