BARでエンジェルキッスをくれた貴方は老舗呉服店の御曹司でした〜カクテル言葉はあなたに見惚れて〜

「でもさぁ…急に変わりすぎたな(笑)俺、食べる時にシュシュでまとめるのが意外と好きだったなぁ」

「あはっ、しばらくは使わないかなぁ」

「聞いていいのかわかんないけど男と別れた?」

「ん?」

「背の高いヤツ」

「えっ?」

姫乃は後藤の方を見た。

「カラオケの後、ずっと西を見てた…そしたら背の高いヤツとひっついて歩いて消えて行ったからさ、あー、彼氏いたんだって…」

見られてたんだ…

「あ、あの人は彼氏でも、付き合ってるわけでもないよ」

姫乃は後藤から目をそらせた。

「そっか…まあ、俺は友達だから」

「あっ、うん」

「今度白石の送別会するから」

「お願いね」

後藤は食べ終わると去っていった。

彼氏でもなくて付き合ってもない…そんなのセフレか不倫って言ってるようなものだよね。

私、後藤くんを傷つけてばかりかもしれない…

後藤くんを好きになれたら良かったのかな…

ううん、きっとそれじゃあ続かないし、太志さんを好きになった事は後悔はしたくない。

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