BARでエンジェルキッスをくれた貴方は老舗呉服店の御曹司でした〜カクテル言葉はあなたに見惚れて〜

そうだよと言い、一緒に会ってもいいよと太志に伝えた。

わかった、予定を聞いてみると納得したみたいだった。

もうすべての権利をお兄さんが引き継いでいるのかなと少し思った。

「まだ『宮乃』の事はよくわからないけど私は太志さんのお仕事を手伝える事はあるの?その資格がいるとか…」

「いや、資格は俺が取ればいいだけだから…仕事はたくさんあるよ、それこそ配達とか洗い終わった着物を畳むだけでも1日何十枚もある、今は叔父さんと2人だから忙しいんだよ」

畳めなかったら店舗の従業員に頼むことも結構あると話してくれた。

「私、手伝いたいな」

「今の仕事を辞めたいのか?俺は無理に辞めては欲しくはないぞ、やりがいがあるなら続けるべきだ」

姫乃は同期が辞める事と後藤くんの事も簡単に話した。

今の状況はほんの少しだけ働きづらいと思い始めていたのだ。

好きになってもらったのは嬉しいけど、関係を壊したくないために後藤くんは友達と言ってくれる。

それって後藤くんはつらいんじゃないのかなぁ。

時間が気持ちを平穏にはしてくれるだろうけど自分だったら好きだった人と一緒に仕事を出来るか考えた時に無理かなと…

これはあくまでも姫乃の考えだから後藤くんにあてはまるとはいえないけども。

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