BARでエンジェルキッスをくれた貴方は老舗呉服店の御曹司でした〜カクテル言葉はあなたに見惚れて〜
のそっとベッドから出て顔を洗いに行った。
姫乃は急いで化粧をしていた。
昨日姫乃がすぐに洗濯してくれて部屋干ししていた服を太志は着て
「出るか」とあくびをしながら背伸びをしていた。
「姫乃、指輪は?」
「失くすといけないから箱にしまった」
「せっかくなのに付けろよ」
「い、いいの?この指だよ?」
「問題ないだろ?何の為に買ったと思ってる」
姫乃は箱から出して太志につけてもらった。
手ちっちゃいな(笑)といいながら大きな手に包まれる。
だから身長低いんだよ?というと、そこが俺にはツボるんだよなー
「好き!」と太志に抱きついた。
2人は姫乃のスカイラインに乗り込み太志を『宮乃』でおろして、会社の月極駐車場に停めた。
姫乃は指輪を見ていた。
「夢じゃないよね、つけてくれたしね」
姫乃は車をおりてロッカーに行った。
「綺麗ね」
「びっくりしたぁ」
後ろに満里絵が立っていた。
「私の言うとおり指輪だったじゃん、それも左手の薬指ってどういうことですか?」
満里絵はニコニコしながら聞いてくる。
「昨日の夜、家に来てくれてね、その…そういうつもりの指輪って言ってくれたの、朝もつけろって言うから……」