BARでエンジェルキッスをくれた貴方は老舗呉服店の御曹司でした〜カクテル言葉はあなたに見惚れて〜
あれ?太志さんは1人で行くとお兄さんには言っていたのかな?
お兄さんも背が高くてかっこいいが太志さんよりは少し雰囲気が柔らかそうだ。
太志さんの方が少しワイルド感がある。
お兄さんはスマホをだしてどこかへ電話していた。
太志さんを呼んでくれるのかな?
電話を切るとすぐに足音がしてやってきたのは女性の方だった。
同じく着物を着ている。
「ひーちゃん、太志の彼女」
「太志くんの?可愛い〜」
「は、初めまして、西姫乃です」
宮野ひふみですと名乗ってくれて、主人の只志(ただし)さんよと可愛らしい笑顔の似合う人だ。
お兄さん夫婦に挨拶をしていると「おい!」と太志さんの声がした。
「これから出るって言おうと思って探してたらいないし、まさか外にいるとは」
「車が停まってたから見に来たんだよ、気になるだろ?」
「わかった、わかった、急ぐからまた戻ってきたらゆっくり紹介するから…姫乃、出るぞ」
「あっ、はい、失礼します」
2人は車に乗り空港に向かった。
「シャワーする時間なかった」
「うん、お疲れ様だね、今日は泊まるだけだからゆっくりしよう」
空港に着くと太志がやっと気づいた。
「え?何で髪の毛伸びてんの?色も黒に戻ってるし」