BARでエンジェルキッスをくれた貴方は老舗呉服店の御曹司でした〜カクテル言葉はあなたに見惚れて〜
『宮乃』

お家にお邪魔するのに手土産も買わせてもらえなかった。

2人から東京のお土産としてで構わないと言われて…今回もお金は太志さんが出してくれた。

KOGUMAのお土産は自分が出すと言うとそれはすんなり認めてくれた。

2人でいる時は太志さんが出すというのを自分の中で決めているんだろう。

車から降りると太志の後ろをついていく。

店の横に砂利を敷き詰めた石の小道があった。

昨日、お兄さんはここから駐車場に来たのね。

その道を進むと洗いの建物が見えてきた。

奥に進むとまた駐車場があった。

「ここは洗いの方のお客さんと従業員の駐車場と駐輪場」

「あっ、太志さんの車だ」

「あぁ、いつもここに停めてある」

駐車場を通り過ぎると引き戸があり、太志は鍵を取り出した。

ここから先は家だから駐車場から人が入って来れないように家の人間だけ鍵を持っていると話してくれた。

いつも裏口から入るが姫乃が初めてだから玄関に回るかと家の横を歩いていく。

庭が広がり右を向くとさっきよりも大きな引き戸の玄関があった。

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