BARでエンジェルキッスをくれた貴方は老舗呉服店の御曹司でした〜カクテル言葉はあなたに見惚れて〜

バスタオルを巻いてくれてしばらく休憩を取った。

日が暮れて貸別荘を出る。


「あー、家も見に行きたかったのにな」

「来月は水曜日になるべく休みを取るから住む所はゆっくり探そうよ、ねっ」

「そうだな、バタバタさせて悪かった」

「太志さんのせいじゃないよ、2人の事だもん、逆に仕切ってくれて色々助かったし、ありがとう」

帰っていると姫乃のLINEがたくさん鳴り出した。

誰だろう…

「ひーちゃんだ、えっ、何かたくさん物件送られてきてるんだけど」

「そういえば何か条件聞かれたな、姫乃は希望はある?」

「特に…だってどうせ今より広いんでしょ(笑)」

「そりゃそうだな」

「後でひーちゃんと一緒に見ようって送っておく、私、ひーちゃんて呼んで本当にいいのかな?」

「俺も呼ばされてる、確か年は俺の1個下かな、兄貴とはお見合いで近くに友達がいないから姫乃が来て嬉しいみたいだな」

「そうなんだね、うん、仲良くするよ」

宮野家に帰ると婚姻届を出してお父さんとお兄さんに証人になってもらい提出をするだけになった。

どうやら太志さんの誕生日が10月15日らしくてその日を結婚記念日にすることにした。

危ない危ない、太志さんの誕生日も知らずに結婚するところだった。

ひーちゃんがそれまでに家を決めて名義変更とか住所変更とか一緒にすると1回で済むよと教えてくれた。

そっか免許証とか銀行とかたくさんあるな。

あとはゆっくりリストにでもして考えよう。

< 143 / 162 >

この作品をシェア

pagetop