BARでエンジェルキッスをくれた貴方は老舗呉服店の御曹司でした〜カクテル言葉はあなたに見惚れて〜
送別会


「乾杯〜」

9月の終わり、久しぶりの飲み会だ。

10月に辞める満里絵の送別会が開かれていた。

「ねー、何で1ヶ月で結婚が決まるの?」

姫乃は3人に10月に結婚する事を伝えた。

「え、でも満里絵だって結婚は決まってるじゃん、ねっ、筒井くん」

「まあ、そうだけど…早いよな」

「それは挙式をあげるからでしょ?多分私達はしないような気がする」

「どうして?」

「どうしてって言われても…」

姫乃は年中無休のお店だからとはわかっていたが、満里絵しか相手の事を話してないからここで話してもいいものか迷っている。

満里絵が筒井くんに話しているかもだけど、籍を入れたら名字が変わって他の人にも知られるだろうけど…

「そういう話が出ていないからだよ」

「西の相手って年上?」

筒井くんが聞いてきた。

「うん、3つ上」

「仕事とかは?稼いでんの?」

「多分、お給料とかはまだ知らない」

「後藤は何か西に聞きたいこととかはないのか?」

「うーん…西だけじゃないけどさ、結婚したいと思う時ってどういう時に思うんだ?俺はまだ結婚願望がなくてさ」

3人は黙ってしまった。

「そもそも西は結婚願望あった?」

「そりゃ願望はあるよ、私、甥姪とかもういるしね、可愛いって思うから子供欲しいって考えるよ」

満里絵は?とふってみた。

筒井くんの前じゃ言いにくいかな…

< 144 / 162 >

この作品をシェア

pagetop