BARでエンジェルキッスをくれた貴方は老舗呉服店の御曹司でした〜カクテル言葉はあなたに見惚れて〜
「誰に対しても優しいかな」
満里絵は言った。
「まあ、筒井は確かに優しい、それは男から見てもそう思うかな、筒井は?」
「俺?」
「だってプロポーズしたんだろ?」
「ん〜、俺らの班て子供が主じゃん、ある日ぐずる子供がいて結構大変だった時にずっと笑わそうとしてんの、その時に凄くいい写真が撮れててさ、そんな満里絵が泣いてんのを見て俺が泣かさないって思ったというか…恥ずいな(笑)」
「いい話だな、俺にはまだそんな考えがないからな」
「満里絵は仕事辞めてどうするの?」
「とりあえず失業保険もらって、何か資格とか取ってみたいなって思ってる、姫乃は仕事どうするの?」
満里絵に振られ返された。
「辞めたい…」
「え?前は仕事したいって…」
後藤くんには確かにそう言った。
「仕事はしたいよ、でもKOGUMAでとは言ってない」
あ〜とカラオケ店での事を思い出したようだ。
「自営業とか?」
筒井くんに聞かれた。
「うーん、まあもう半月もすればわかるけど、私、宮野姫乃になるの」
「え?宮野って呉服店の?」
どうやら筒井くんは知らなかったようだ。
「そう…仕事を手伝いたいと思ってるのね」
「春から配達が代わったって女子が言ってたやつ?」
後藤くんは同じ班だから噂は聞いているだろう。