BARでエンジェルキッスをくれた貴方は老舗呉服店の御曹司でした〜カクテル言葉はあなたに見惚れて〜
保育園から戻ってくるとお義母さんがお昼に入っていた。
「おかえり」
「ただいま」
舞華は太志さんから降りる意思表示をしておばあちゃんに抱っこされた。
「やっぱりいつも一緒にいるのはわかるんだろうな」
「おにぎりが欲しいんじゃない(笑)」
「舞ちゃん、食べますか?」
小さくちぎったおにぎりを嬉しそうにモグモグしていた。
「ほら(笑)」
「姫乃、先に着替えて来いよ」
「あっ、はーい」
宮野家の和室にはたくさんの着物が和ダンスに入っている。
今日はどれにしようかな…
実は選ぶのが楽しみだったりするのだ。
薄いグリーンの着物にゴールドの帯
化粧を直していつもより少し大人っぽいメイクをして赤い口紅をつけた。
髪もまとめてお団子にした。
ロングの髪の毛が好みの太志さんだが籍を入れる前にはエクステを外してもいいと言ってくれた。
すぐ伸びるだろとエクステを外してきたときにはくしゅくしゅと髪の毛を触ってきた。
「あー、セットしてもらってたのにー」
「ハハッ、髪型で嫌いにはならない…でもやっぱり黒髪ロングが姫乃には似合うんだよ」
ふふっ、懐かしいな、また美容院に予約入れなきゃ
支度を終えると太志さんが舞華を抱っこしていた。
その間にお義母さんは洋服に着替えたようだ。
「午後から赤松様が着物を取りに来られるから渡しておいてね」
「はい!では店に行きます」