BARでエンジェルキッスをくれた貴方は老舗呉服店の御曹司でした〜カクテル言葉はあなたに見惚れて〜
「いつもありがとうございます」
「今日の奥様の着物の色が素敵ねってお話してたの」
「少し濃いめのグリーンは振袖の方でよくあるんですが薄めのグリーンはやはり落ち着いた年齢の方にも合うんですよ、訪問着にいかがですか?」
「そうねぇ、そのくらいのグリーンなら試してみてもいいわね」
「お抹茶にも合いますしね」
赤松様は茶道の先生だ。
「じゃあ、また探しておいてもらえるかしら」
「仕立て済みでもよろしいですか?」
「もちろんいいわよ」
「かしこまりました」
「あっ、ねぇ、お2人が揃うの珍しいから一緒に写真を撮ってもいいかしら」
「はい、喜んで」
店の前で従業員に頼んで看板も入れて3人で写真を撮った。
「私、SNSは使えないけど生徒達に写真を見せるわね」
「ありがとうございます」
赤松様は帰って行った。
2人で1度奥に引っ込むと姫乃の着物を写真に取り太志さんはお義兄さんに送った。
“薄めのグリーン赤松様要望あり、仕立て済みでもOK、探してくれ“
明日の午後訪問もついでに送った。
太志はノートにも書き込むと一緒に下がってきた姫乃がいない。
店頭に出していない着物を置いてある部屋がある。
太志が行ってみると姫乃はいた。