BARでエンジェルキッスをくれた貴方は老舗呉服店の御曹司でした〜カクテル言葉はあなたに見惚れて〜
指導
次の日、社食でお昼を食べていると満里絵が隣に座った。
「これ、後藤くんに渡しといてよ、2人分」
「同じフロアにいるじゃない」
「これからロケに行くのよ」
「珍しいね、じゃあ仕方ないなぁ、お金も共有する仲になったのね、いつの間に付き合ってたの?」
「元カレと別れて先月は呑んでたの、その後送ってくれたじゃん?俺なら泣かせないとか言ってくれてさ」
「それなら次の日に言ってくれてもよくない?それに泣かせないって満里絵が傷ついたの?」
「まあ、二股だったのよね、本命は私って言ってくれたけど許せるわけないし」
「そっかー、相談に乗れなくてごめんね」
「こっちもごめん、言いづらくて…じゃあロケに行ってくるねー」
「はーい、頑張って〜」
元カレと別れてすぐ付き合えるもんなのか…
私はしばらくいいやって思ったけどなぁ。
喧嘩別れした訳じゃないけど、元カレは就職で地元に帰ることに決めたのをギリギリまで話してくれなかった。
遠距離は無理といって別れることになったけど、ちょっとはチャレンジしてみて欲しかったな。
姫乃のスマホが鳴った。
「西さーん、もうすぐ戻ってきます?」
電話は田辺さんだった。
「うん、戻るよ」
「衣装階に来てください」
「わかった」
3階の衣装部屋に姫乃は来た。
このフロアで着替えも服選びや、メイクもする。
田辺さんが待っていた。