BARでエンジェルキッスをくれた貴方は老舗呉服店の御曹司でした〜カクテル言葉はあなたに見惚れて〜
今日の終業前にもう一度言うからねと2人は事務所に戻った。
「お昼に行ってきていいわよ、今日は初めて撮影があるから頑張りましょう」
「はーい、行ってきます」
姫乃は自分の席に座った。
あっ、そうだ…
姫乃は後藤くんの席を覗いた。
ちょうど席に座っていたので声をかけた。
「後藤くん、これ、3人分ね」
預かった2人分に自分の分を足していた。
「あぁ、サンキュ」
「こちらこそいつもありがとう」
「BARではびっくりしたよ、いつの間に帰ってたんだよ」
「ごめん、2人がテレビに夢中だったからさ」
「カウンターにいただろ?もしかして男と抜けたのかと思ったけど西がそんな事するかなって…筒井と話しててさ」
私でもしちゃったんだよな…
「あー、トイレから出た時にぶつかっちゃったのね、それでお詫びにってカクテルを1杯奢ってくれたのよ、度数が高めだったみたいで少し酔ったから帰ったの」
「そうか…度数が…気をつけろよ」
「うん」
太志さんが先に店を出たから一緒に出てはないから大丈夫なはず…
じゃあ、午後からの撮影よろしくと言うと自分の席に戻った。
びっくりした…
私って嘘がつけるんだ…
目を瞑ると太志さんの顔が、身体が、愛撫の時の色気のある目…
ダメダメ、今は仕事中
姫乃は軽く頭を振った。