BARでエンジェルキッスをくれた貴方は老舗呉服店の御曹司でした〜カクテル言葉はあなたに見惚れて〜

田辺さんが昼休憩から戻ってくると午後からの撮影の準備をするために衣装部屋へ行き、揃えていく。

「番号とパソコンの写真の柄を確認してね」

「はい」

長襦袢はこっちが冬用、もう少し暑くなったらこの夏用を用意してねと説明をしていく。

「3時からの撮影のお客様が終わると明日取りに来る『宮乃』さんに渡す準備をするからね」

「はーい」

「あっ、今日は前田さんが着付けをするからちゃんと覚えること」

「着付けですか?」

「そうよ、そのうち研修があると思うわ」

とりあえず2階の事務所に戻りお客様の到着を待つ間に色々教えていく。

お客様が到着しましたと田辺さんから報告があったので後藤くんにも伝えてきてといい、私はお客様を3階の衣装部屋へ案内した。

無事に撮影も終わり姫乃と田辺さんはさっき使った振袖を畳んでいた。

「左から折って…そうそう」

「う〜ペラペラして難しいですね」

「慣れるわよ」

「西さんておいくつですか?」

「もうすぐ25よ」

「結婚とか考えてます?」

「ん〜今は考えてないかな」

「彼氏さんとかは?」

「いないよ」

「後藤さんと仲良いですよね?」

「同じ歳だからね」

田辺さんの質問攻めが始まった。

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