BARでエンジェルキッスをくれた貴方は老舗呉服店の御曹司でした〜カクテル言葉はあなたに見惚れて〜

「後藤さんて優しいですよね、イケメンだし」

「そう?」

「彼女とかいるんです?」

姫乃は考えた。

「多分、いないはずだけど」

「いいなぁ、仲良くて」

「話しかければ喋ってくれるよ」

「そういうんじゃないんですよねー」

わからないなぁ…20歳の考えてる事は…

パソコンで今日の着物の所に洗いと打ち込み

「今日は終了よ、お疲れ様」

「お疲れ様でしたー」

姫乃は明日の外ロケの詳細をパソコンで見ていた。

朝からウェディング撮影のお手伝いで姫乃のグループも外ロケに出かけるのだ。

「西ー」

顔を上げると後藤がやってきた。

「何?」

「明日のロケの天気なんだけどさ」

「え、怪しいの?天気予報変わった?」

「うん、あっ、パソコンいいか?」

後藤は姫乃の後ろから手を伸ばしてきて明日の天気予報の画面を開いた。

かすかに香水の香りがして、ちょっと近いよなんて思ってしまった。

別にドキドキはしないが田辺さんがイケメンなんて言うからちょっとだけ視線を上に上げてみた。


うん、太志さんの方がかっこいい…


「また明日も変化するかもだし、こまめに見ながら昼休憩とかで調整しましょ」

「OK」

「田辺さんも外ロケは初めてだから気づいたことがあったら教えてあげてね」

「ん?あぁ」

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