BARでエンジェルキッスをくれた貴方は老舗呉服店の御曹司でした〜カクテル言葉はあなたに見惚れて〜
「昼休みくらい1人でいたい的なやつじゃね?」
「そうなのー?」
うんうんと後藤くんは頷いていた。
「私なんて先輩に色々聞いて早く覚えようって必死だったんだけどな、20歳ってもう世代が違うのかな」
「20歳……確かに若いな」
「えっ?5歳違うとやっぱり?」
「おいおい、他のベテランも大勢いるんだからな、まだ俺達は若い、若い(笑)」
姫乃は周りをキョロキョロして先輩いないよねと呟いた。
「それより、今日、どう?」と後藤くんが聞いてきた。
「ん?食事?」
「おう」
「大丈夫だと思う…」
一応スマホのスケジュールを見た。
「うん、OK」
「じゃあ、また場所をLINEで送っとくな」
「はーい」
お先と早くも唐揚げを平らげていて席を立って行ってしまった。
姫乃も食事を終えて歯磨きを済ませて自分の席に戻った。
午後からも田辺さんに仕事を教えて1日があっという間に終わった。
「お疲れ様でしたー」
田辺さんを先に帰らせ、姫乃は自分の机周りを片付けるとロッカーに向かった。
どうしようかな…
姫乃は車通勤をしている。
食事だけなら車で行くけど、今日は喉が乾いたし呑みたい気分。
1度車で帰り、シャワーを急いで浴びてタクシーで指定された店まで向かった。
姫乃の家は最寄り駅から少し遠いから車通勤をしていて会社は月極駐車場を借りているのだ。