BARでエンジェルキッスをくれた貴方は老舗呉服店の御曹司でした〜カクテル言葉はあなたに見惚れて〜
「あのさ、事故渋滞にはまっていて、到着が遅れるんだ」
「大丈夫ですよ」
「昼メシとか一緒にどう?」
「いいんですか?」
思わず声が大きくなり姫乃は小さい身体をますます小さくかがませる。
「昼休みは何時から?」
「今日は12時半から1時間です」
「じゃあ、先に1件まわってから行く」と言って電話を切った。
嘘みたい、太志さんの方から誘ってくれた。
逆に会えてないから誘ってくれたのかな、もしそうなら田辺さんに感謝だけど。
あっ、田辺さんに戻ってくるように言わなきゃ。
1階に降りるとテーブルの上には荷物が置いてあったけど田辺さんはいない。
受付の人に聞いてみると庭の方に行ってましたよと教えてくれた。
ビルの後ろ側には小さな庭があり天気のいい日は庭で撮影することも出来るようになっている。
何で庭なんだろ?
姫乃は庭に行ってみた。
「ここに立てばいいですかー?」
「うん、田辺さんは身長何cm?」
「160はあります!」
後藤ともう1人カメラマンが田辺にカメラを向けていたのだ。
撮ってはないようだが光の調整をしているようだ。
「田辺さん」
「はーい、あっ、『宮乃』さん来ました?」