BARでエンジェルキッスをくれた貴方は老舗呉服店の御曹司でした〜カクテル言葉はあなたに見惚れて〜

「事故渋滞で遅れるって連絡が入ったから1度持って上がるわね」

「はーい」

姫乃は荷物をテーブルから引き上げて2階の事務所のテーブルに置いた。

田辺さんにとってはイケメン男子と話せたらそれでいいのかもね。

11時からお客様が来店して、20歳の会の日に着る振袖を選んで決めてもらい手続きを済ませると12時を少し過ぎていた。

仕事の都合で撮影も押すことがあるからぴったり1時間という昼休みはあってないようなものなんだけど、今は田辺さんがいるから30分ずらしてお昼に入るようにしている。

一応ホワイトボードに昼休みのところに自分の名前を書いておけばいいことになっている。

「西、今から社食?」

後藤が声をかけてきた。

「ううん先に田辺さんが行ってるから私はもう少しズラすよ」

「そっか」

「今日、私、銀行とか行くから外で食べるから後藤くんは行ってきなよ」

「じゃあ、お先に」と社食に向かった。

姫乃はホワイトボードに名前を書いてロッカーに行き鞄を出して、化粧直しもした。

「あっ!」

バカだ私…肝心なものを忘れてるじゃん。

姫乃は事務所に降りて、たとう紙を持って1階におりた。

KOGUMAの駐車場に太志の車が入ってきた。

姫乃が荷物を持って外に出ると太志が荷物を受け取ってくれた。

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